匂いの分析をする上で、GC1,aは最も幅広く用いられている手法だ。だが混合物組成が分かるだけであるので、なぜその匂いになるのか、が分かるわけではない。とりあえず「何が入っていたのか」というデータは有用だし、蓄積してゆくべき知見。もちろん、低沸点分子の生成経路を調査したり、未知化合物を発見し構造決定することは生物学的に有用だし、そのような蓄積は医学・生物学には必要…
地道ではあるが、その二つを結びつけるような研究もなされている。香気分析というものは「何が入っていた」という分析から「どんなものが強く働いているのか」という分析、さらには「どんなものが強く働いていて、その寄与はこんな傾向なのだ」という分析に移行してゆくべきであろう。
そもそも香気物質はそれぞれ異なる閾値を持っている。そのため、大量に含まれる香気物質が香気のイメージに重要かというと、そうでない場合も多い。そのような微量で香気に大きな影響を及ぼす香気物質を、キー成分などと強調して呼ぶ。特異な分子構造を持っていることも多いb。
香気イメージへの寄与の検討方法についてキーワードの説明をしてみる。
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「匂い嗅ぎGC(Sniff-GC)は、キャピラリカラムの出口を分岐し、一方を検出器に、他方を匂い嗅ぎポートに接続し、検出器によるクロマトグラムの取り込みと各ピークの匂い嗅ぎ(人間が嗅ぐ)を同時に行い、各成分の匂いの質を明らかにする」2ための装置である。匂い嗅ぎGC(Sniff-GC)はガスクロマトグラフィー-オルファクトメトリー(GC-オルファクトメトリー、GC-O)という呼称が使われることもある。検出器によるクロマトグラフィー結果が「クロマトグラム」と呼ばれるのに対して、匂い嗅ぎによるクロマトグラフィー結果を「アロマグラム」と呼ぶ(ただしこのカテゴリ、呼称は未統一)。
AEDA法とは、無臭空気で段階的に希釈し官能ガスクロマトグラフィーを行い、最も希釈されたサンプルでもニオイとして検知された成分を探す方法である(「香りのメカニズムとその測定・分析、評価技術」技術情報協会,p.96-97, (1999))。匂いの強度(寄与率)を数値化することが出来る2,3。
OASIS、AROMATCH4,5,cは曽田香料が特許等で主張してきた手法である。GC-Oの出口から出てくる香気と原材料の香気を気相中で混合して評価する。GCは香気成分がそれぞれ特定の時間で分離され出てくるので、それを分離され出てくる時間時間で調合品の香気のイメージがどのように変化しているかを官能評価すれば、その調合品における単品香料素材の役割が分かるようになる。
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