帰宅困難者と震災時の情報通信に関してまとめ

今回の震災においては首都圏の鉄道は止まったものの、著しい建物損壊も停電も起こらなかった。今回の震災で、帰宅困難者がどのように・どれくらい発生するのか、震災時にどのような通信手段が有効なのか、が確認できたと思う。

帰宅困難者1,2)。鉄道網は地震直後、運転を停止し、軌道の安全確認に多大な時間を要した。そのため、東京のオフィス街に勤める電車通勤者の多くは帰宅にバス、タクシー、徒歩のいずれかを選択することになった。基本的にはタクシーは捕まらず、自家用車やバスも渋滞に巻き込まれたため、都心では徒歩で移動する人が多かった。横浜や川崎など郊外においては直線距離としては長距離になってしまうために徒歩は現実的ではなかったようだ。(郊外・都内いずれの場合にも自転車は有効な手段だったようだ)

携帯通話。携帯電話による通話はほぼ麻痺状態だった。同日夜に入り、IP電話→携帯電話や関東域外携帯→携帯などが通じるようになった。通話に関しては固定電話間が優先されているようで、首都圏では公衆電話には長蛇の列が出来ていた(同日夜間に無料化したはず)。

携帯メール。携帯メールは回線負荷の低いはずだったが、遅延が目立った。特に地震直後の安全確認のメールなどリアルタイム性が必要とされる需要でそのリアルタイム性を確保できなかったことは痛い。携帯間通話を制限してでもメールのリアルタイム配信は確保しなくてはいけなかったのではないか?ただし震災後、ある程度時間経過してから問題になったのが「チェーンメール」。重要度が高くない連絡(安全確認やその他など含む)で回線容量と被災者の時間を消費してしまった。

スカイプ。電話は回線負荷が掛かりすぎたために、不通気味になったが、wi-fiエリアを利用したスカイプなどは推奨された。

フェイスブックとツィッター。フェイスブックに関しては公開メッセージではなかったためにユーザーは安否問い合わせに個別に回答せねばならず、とても手が掛かったらしい。それに対してツィッターは一度アップしてしまえば誰でも確認できるために安否情報のメッセージ送信としても有用だったようだ。また原子力発電所の異常事態においては、正しい情報を引き出すドライビングフォースになったと自分は思っている。

ただしツィッターは不慣れな人間が公式リツィートの手順を踏まず、むやみにバルクの情報を増幅してしまっている面もある3)ので、周知徹底は今後必要だろう。

1.帰宅困難者 - Wikipedia
2.彼女を守る51の方法 - Wikipedia, Amazon.co.jp (古屋兎丸の書く東京・直下型地震シュミレーション漫画)
3.Twitterブログ: 東北地方太平洋沖地震に関して(特に「Twitterからのお願い」の部分)

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