メモ;蛍光タンパクについて調べる

蛍光タンパクは長崎大学の下村教授が、クラゲの生物発光の原動力となっていた発光タンパク質を発見分離精製してタンパク質構造・発光機構を研究していたところまで遡る。

オワンクラゲの生体内では緑色蛍光タンパク質(Green Fluorescent Protein, GFP)1とイクオリン2が複合体を形成している。イクオリンはセレンテラジンという物質を核にもち、高カルシウム濃度ではセレンテラジンのカルシウムイオン結合モチーフにカルシウムイオンが結合してセレンテラマイドへと分子構造が変化し、セレンテラマイド構造は蛍光発色する(単体では460nmの青色)。GFPはイクオリンから励起エネルギーを受け、最大蛍光波長508 nmの緑色の蛍光を発する。(蛍光共鳴エネルギー移動(Fluorescence resonance energy transfer:FRET)、フェルスター型エネルギー転移3とも)。

GFPは以下の理由のため、異種細胞への発現方法が確立し、1990年代にレポーター遺伝子として広く普及した。
・ GFPの発色は基質を必要としないことや単体で機能する。
・ GFP分子内での発色団の形成には自己脱水結合のみで充分であり、酵素など他分子の助けを必要としないために、トランスジーンとして異種細胞へのGFP導入・発現が比較的容易である。
GFPはリアルタイム、かつ、その場で(in situ:細胞破壊の必要がない)検出でき、他のタンパク質との融合タンパク質としても機能を発揮する(GFPタグ)ことから、特に細胞内のシグナル伝達などに関与するタンパク質の細胞内局在を明らかにするツールとして、なくてはならぬものとなっている4-6

そのほかの蛍光タンパク、GCaMP3に関してなどは別途記載する7-10

参考;
1.緑色蛍光タンパク質 - Wikipedia 文章ほぼここから引用
2.イクオリン - Wikipedia
3.蛍光共鳴エネルギー移動 - Wikipedia
4.(同志社の生化学のテキスト?pdf.)
5.新学術領域研究「蛍光生体イメージ」 レビュー2点紹介
6.DOJIN NEWS / Review
7.Sample Request (MTA) | Laboratory for Cell Function Dynamics (Atsushi Miyawaki, M.D., Ph.D.)
8.Olympus FluoView Resource Center: The Fluorescent Protein Color Palette
9.クロンテック社は蛍光タンパク質を幅広くラインナップしています!
10.蛍光イメージングによる細胞内および細胞
外ATP の可視化. 生化学82, 11(2010-11),1056-

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