「香りの科学と美学」(藤森嶺)

■2010年01月19日(火) の日記より

「香りの科学と美学」(藤森嶺)は東京農業大学を定年退職した著者の早稲田大学での社会人講座をベースに、またはその教科書として書かれた香り文化につい ての人文書。一応は化学系だが自然科学でも工学でもない。もともと香料・香りというものを研究する学問分野は無く、それについて語ろうとすれば化学、心理 学・文化人類学、あるいは服飾論(特にフレグランスは美術とも繋がりうる)、食品衛生学(広域に目をやれば農学)、生物学・医学と広範な学問分野に精通し ていることが求められる。この本はそんな香料・香りを「講座」として成立させるために、また同時に子供に諭すように噛み砕くことをなるべくせずに、各界の 現場の人間を執筆者・口演者となるような感じに、各章ごとに自由自在に・深く講座が進む。なかなかに読み応えがあった。

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より
出版社: 東京農業大学出版会 (2009/05)
ISBN-10: 4886942105
ISBN-13: 978-4886942104

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