ドコモと電波跡地

ドコモが新しい周波数帯域を押さえた。もともとアナログテレビ放送が終了するのに伴い、課題となっていた電波帯域用途の割り振りのし直し1)。新たに空く(現)アナログ放送の帯域は「マルチメディア放送」用途とする方向で考えられていたが、その事業者がドコモ陣営に内定したという報道があった2)。映像配信はネット上ではかなり苦戦している商分野であるとされていて、ドコモがこの電波帯域でなそうとしているサービスがどれほどの採算性を実現できるのかかなり気にはなる。経営陣もかなり高リスクであるという認識の下、この分野に乗り出すのだという報道があった。

ドコモはsimロックフリー端末化を国内で最も早くに掲げた。そしてその受け皿として最大手になるだろうと考えられるこのサイトで紹介したこともあるb-mobile(日本通信)はfoma回線をベースとしている3)。i-Phoneで新規顧客を獲得したsoftbankに対して、ドコモの次の一手は、このsimロックフリーと、softbankに勝る良質なfoma回線網の低価格での提供だといえる。

もともとドコモはsoftbankに比べ広い電波帯域を押さえており、電波帯域の関係から、今のsoftbankの携帯通信網はフィジカルに飽和状態…ひいては「繋がりにくいsoftbank」という結果をもたらしているという。やはり、無線通信が隆盛を極め、無線経由でやり取りをされる情報量が増えれば増えるほど、「もともと広い帯域を押さえていた」企業がより強く振舞えるということに繋がっているのだと思ってしまう。しかし同時にアナログテレビ放送帯域「跡地」を兎にも角にも押さえたドコモ。営利企業としては正しい手の打ち方だと思う。

1. 放送電波のすき間に眠る「埋蔵金」 :日本経済新聞
2. 携帯向け新放送、NTTドコモが運営事業者に :日本経済新聞
3. 落胆したもう一つの会社 :日本経済新聞

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