調香に関していったいどう検出して、再現すれば良いのか?

12/16に東工大中本準教授と会う予定にしていた。その前準備として自分の考えていることに関してメモ書きしてみていたので、それをこのブログに転記しておこうと思う。以下は、12/15の手帳から。

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明日は東工大の中本準教授と会う。中本先生は匂いセンサーの開発とそれを用いたにおいの送受信の実用化を研究テーマにしている。まだ詳細な部分の研究内容に関しては不明だが、匂いセンシング機構の開発やモジュールの開発・低価格化というよりは、既存技術、最先端に限りなく近い他研究機関の成果であるセンシング技術をアレイ化(並列化)し、それらから得られた多元データをコンピューター等で多変量解析することで匂いの微細構造をもセンシングする技術の開発を目指しているというところなのだろう。調香と化学は彼の行おうとしている「香りの送受信」において両末端である(もちろん中心はセンサーから得られた情報の解析であって、センサー技術の基礎である化学や各匂物質のもつ意味をマネージメントする調香はその周りの技術といえるのではないだろうか)。

だが、調香という観点から見た「匂い」観はなかなか奥が深い。微量で匂いが変わるストロング香気成分、瑞々しさ・ナチュラル感を一気に増大させる天然香料(一般的に高いが再現しようとしている匂いから比べれば安い原料である場合が多い)など化学や科学の数値化からは測れない効果がいくつも出てくる。良い匂いとはいったい何なのか?それも単純な化合物なのではない。なぜその組み合わせが良い匂いなのか?また少量で匂いのイメージががらりと変わってしまうなんてどういうことなのだろう?微量ストロング成分が香気のリアリティにおいて重要な役割を果たしているのなら「いったいどう検出して、再現すれば良いのか?」

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