従兄弟の結婚式

いとこの結婚式があった。弟の結婚式では調香をしたフローラルブーケタイプの香水を準備したが、いとこに対して何も準備しないのは悪い気がしたので、とりあえず一番最近調香したローズの香料を京都でアトマイザーに詰めて渡した。シングルフローラルの域を出ないが、精油よりも面白い香気になっている筈である。

今ローズに限らずシングルフローラルに関して、保留剤と下から出てくる重たい甘みの2つのテーマに関して個人的に研究をしている。ミドル~ベースにイオノン系のものが入っているとシングルフローラルに上手に甘さが付与できる。やりすぎると違う花になってしまうので注意を要するが、生の花とは少し違っても良いから甘さが欲しいとき、化粧品的な温かさが欲しいときには有用だ。

イオノン系を上手に配したベーストーンを選択してやることでなかなか良いローズが作り出せている。それでも匂い始めとラストの匂いにかなり差があり、特にトップの終わったあたりでテルペン系のがさついた感じが取れなかったので、保留剤を検討し始めた。保留系~ベーストーン~テルペン~トップアクセントの4つに分割して配合を検討して、保留系をかなり増やしつつもトップアクセントを倍増させたり、テルペンを微増したりして作ったのが従兄弟に渡したローズである。不満な点、未調整の部分はいくつもあって、特にトップアクセントのエーテル原料はローズの調合品では初挑戦なので配合が煮詰め切れていない。またアルデヒドをどこまで効かせるのか、最終的にどのアルデヒドがベストなのかも煮詰まっていない。

いずれの調香においても、きちんと出る香り、焦点の合っている香り、調和感のある香り、紙につけて経時で見てもほつれてこない香りが今個人的にはテーマである。そのためにかなり重要であるのは、ベーストーンの煮詰め、最適な保留剤の最小使用量の見極めかなぁと思っている。

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いずれにしても直接本人たちに挨拶する時間があまりなかったので、いささかお決まりの言葉ではあるが挨拶しておく。

ご結婚おめでとうございます。

私事を申しますと、関西から関東に引っ越す際にイギリスから一時帰国して彼女さんも遊びに来ていた下宿に泊めてもらった事があります。お邪魔するのも悪いなぁと思いながら、自分のほうとしても切羽詰っていてお酒を飲みながら夜中までしゃべったような気がします。

本来学術的な指向性を持っている私としましては、第一義的にぜひとも学術的な研鑽を極めて欲しい、良い仕事をして欲しい、と思っております。また二人は公的にも私的にも色々な障壁を乗り越えなくてはならない場面に遭うことと思います。ぜひとも智と理性と感性を以て、調和と協和を目指して下さい。私も微力ながら協力して行きます。

また、我々従兄弟同士で楽しく飲める機会があったら良いなぁと思っております。

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