超臨場感、物理刺激と化学刺激

WBSを見ていると(11/8時点)、拡張現実+超臨場感を利用した医療における手術支援のシステムの話が特集されていた。3D映像と触覚再現システムを使用した超臨場感再現装置の中で外科医が手術用ロボットを操作する。ロボットは超微細な作業が可能である。前立腺がんにおいては、外科医が直接執刀するよりも小さな患部以外を傷つけてしまう可能性が少なく、失血が少なく、術後の回復が早いとされる。アメリカでは既に実績がかなり積まれているが、日本では医療保険の対象外で高額の医療費が必要であるとのこと。

医療の世界は最新技術の導入も速い。そう感じた。そして実績も出せている。専門的な世界、B to Bの世界で起こっていることは、前述の手術支援のようなパッケージ化。それは、今まで出来なかった技術課題の解決に貢献している。

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同じ「拡張現実」に分類される「匂いの通信技術」ではまだまだ、そのような実績はなさそうである。

そもそも五感のうち化学刺激(味覚、嗅覚)はデータ化とディスプレイ方法が未完成である(完成とは、実用に耐えうるレベルでの実機化がされているという意味である)。またそれらを用いて現実社会の利便性・安全性をどう向上させて行けるのか、何らかの需要を満たせるのか、構想が明確に提案されていない。

五感のうち物理刺激(光・画像、音、触覚)はデータ化とディスプレイ方法が既存技術としてあり、センサーでデータ化し送受信その後再現が可能になっている。データ化され“ディスプレイ”で再現可能なものなら、その情報はどんどんクラウド上に蓄えられ、位置情報でタグ付けされ拡張現実として現実社会に流れ込み始めている。特に画像データはその動きがここ5年ほどの間で顕著だ。

物理刺激は、再現するディスプレイ方式がまだまだ現実的なものではないためか、上記のように高額の医療用パッケージ商品としてしか実用化はしていない。

これらに比べると、化学刺激はセンシング方法もディスプレイ方法も未成熟である。味覚に関してだけはセンサーが形になったが、こちらの“ディスプレイ”は匂い以上にイメージがしにくいものである。においに関しては“センサー”の需要はそれなりにあるが、何らかの解決の糸口が得られた、という状況にはないようだ。

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ちなみにTDL(東京ディズニーランド)で3Dインタラクションのプランが導入されるとニュースにあがっていました。装置が高額な場合は「人が多く集まる場所での利用」から入ってゆくモノですからね…。

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