藤森先生の本1より「香りのいろいろな側面」

自分が以前より「香りと学問」の関係を漠然と考えていたが、ちょっと良い図があったのでご紹介する。早稲田での藤森先生の社会人講義2に参加した、と以前報告したが、その講義中に「香りのいろいろな側面」(「香り」と「嗅覚」をめぐる関係図)を、見せてもらった。 
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香りをめぐってはさまざまな側面があって、嗅覚、情報、言葉、測定、食品香料、香粧品香料が挙げられる。
嗅覚の研究は他の五感に比べて受容体の解明は遅かった3。1990年代である。その後休眠している遺伝子も含めて約1000種類の匂い分子受容タンパクの遺伝子が存在していることが分かっている。ヒトでは約300種の匂い分子受容タンパクの遺伝子が発現すると、報告されている。この研究カテゴリは細胞生物学である。ただし受容タンパク、嗅覚細胞から発信された信号の解析はまだ未解明である。どのように脳内が活動しているのか等興味結構ある。
情報としては、フェロモンや感情的な好悪が挙げれていて、フェロモンについては生物学(行動学などだと思う)で調べられている。人間は鋤鼻器が退化しており、フェロモン物質は見出されていない。匂いに対する好悪は心理学や脳科学で研究されている。「匂いに対する人間の挙動」の研究は割と新しい研究分野だ。
測定に関しては様々な分析方法が適応されたが、分析化学的手法、特にガスクロマトグラフィを用いるのが定法である。微量物質に対する検出限界の改善や、再現性の向上、匂い物質の帰属同定など日々研究がなされている。
食品香料や香粧品香料に関する安全性は、医学、薬学、化学の分野である。
香粧品香料において、アロマテラピーは新しい研究分野である。研究手法としては医学寄りであると思う。
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香りをめぐっては様々な分野で研究がなされているが、どれもバラバラであるように思う。そもそも匂いは化学物質の混合物であるし、何が匂いのイメージを決めているのか、一般人には想像し難いし、それについて調べることも難しかった。
特に致命的なのは「言葉」で共通認識を持ちにくいこと。匂いは、嗅いだことのある香りでも言語化されにくく、嗅いだことのない香りの言語での説明はイメージが湧きにくい。従来は調香トレーニングの一環として、匂いを覚えると同時に、匂いのボキャブラリーを増やすということが、意識して行われる。この分野については学問として行われていないし、共通フォーマットはないと言える。云うまでもないが、食品香料においても香粧品香料においても、「調香」に対して学問的・体系的アプローチはなされていない。
「香り」の世界を深く知ろうとすると、この「言葉」と「調香」が壁となり、学問的・体系的な理解を阻害する壁になってしまっていた。藤森先生の授業でふと拝見したこの「香りのいろいろな側面」で、「だから香りって調べても調べても分からないのか」と妙に納得した。(この納得感…伝わりますかね?) ちなみに以前参加した「香りのマーケティング…」4でも関係者が、「 香りの言語化」「ベース化、要素臭化できないか?」「 香りの辞典のようなものを作り、要素の数値化をしたい」と言っていたのと結構カブるなぁ、と感じた。

服を近々探そう

夏が終わりかけ、ようやく色々な物欲が再燃してきている。健康体になった証拠だ。まず洋服が欲しい。

会社を辞めた当初はきちんとした恰好をした方が良い、ということでカッターシャツ、革靴を常に着ることにこだわった。

今後の時代においては、自分の知識と、自分のフィールドを持つ人間がその対価を正当に得る一方で、自分の確固たる知識もフィールドも持たず組織人として一定の糧秣を得続ける人間も存在する時代になると思っている。組織人は組織の制服を着ればよいが、自分のフィールドで自分の武器(知識、技術)を基に戦う人間は着る物を自分で選択しなくてはいけない。

自分の考えた末に出した結論としてはデニム、カッターシャツ、革靴、ニットセーターだと思う。デニムはチノでもよいし、ニットセーターはカーディガンやベストでも良い。色はチャコールグレーと紺が最上位、黒やライトグレイやベージュが次位、カーキやライトブルーなどそのほかの色はカジュアルである。ただしシャツはホワイトかブルーで柄は無地かストライプ、革靴は黒かダークブラウンの紐靴が望ましい。非威圧的で親しみやすさを保持しながら、相手に対する失礼も出ず、レストランや劇場にも出入りで来うる恰好が良い、と思っている。

結局のところ、

·           海のモノか山のモノか分からない自分の身分にも関わらず、信頼を付与してくれるみなり
·           ディスカッションをする際に高圧・威圧感を与えないみなり
が重要で、それに「程好い清潔感とクラシック感の両立」を加えようとすると、カッターシャツや革靴を足し、このような形態へとたどり着く。テーラードジャケットは有ったほうが良いが、体型に合っていない安物を身につけると「ニセモノ」っぽくなるし、体型に合っていても、グレーや紺でストライプのようなスーツはパワースーツで威圧的に出すぎるかもしれない。ライトグレイ系や非獣毛は「遊び心」が入りすぎ、「ディスカッション」の空気が生まれない。

この恰好はスティーブジョブスの恰好と同じだ。きっと彼も心砕いて、あの服装に至ったのではないだろうか?ザッカーバーグが、その恰好にネクタイつきで公の場に現れたことも話題に上ったが、彼らのような自分のフィールドで自分の武器(知識、技術)を基に戦う人間は、「着る物を自分で選択しなくてはいけない」ことを象徴しているように思えてならない。

「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」蟹沢 恒好 (フレグランスジャーナル社2010年10月)

「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」を読んでみた。まだ斜め読みした程度だが、情報を整理しておこうと思う。
香りの生成機構について、現在分かっている点について総論的に纏めてあって、分かりやすい本だと思う。ちなみに反応式で書かれている部分もあるが、代謝経路に関しては大まかにしか記述されていないし、特に植物の代謝に関して酵素の話に踏み込んだり、酵素発現に踏み込んだりした話はあまりなかった。ちょっと残念だったのが、参考文献に関する情報が弱い。何らかの本で見たことのある話が多い(C6、C9系のグリーンの香りなど)。
それでも、本としては纏まっていて、そこまで生化学に馴染みがなくても読み難いほどではない。
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紹介文は以下のとおり。
「植物や動物等の生物から香りがどのようにして生成するかについて、その解明は遅々として進んできませんでした。しかし近年に至り、化学工業の著しい進歩発展に伴ない香りの生成機序が解明されるようになり、香りの生成が化学的に立証されるようになってきました。
本書は、高砂香料工業で長年香料の研究に従事してきた著者が、渾身の技術力を発揮して書き下ろした新書です。本書の特徴は、1)香りの生成についての全体像が分かりやすく簡潔にまとめられている、2)香りの生成機構を中心に香りが生成する意義と役割について紹介する、3)生成反応ごとの種類を見てゆくと香りの理解が得られやすい、4)人類と香りの関わりを進化の過程を考察しながら、人類もまた香りを作り出す生物になったこと、などについてやさしく解説しています。香りの生成に関する類書がほとんどない今日、絶好の入門書としてお薦めいたします。」
以下がその目次。
■目次
1章 香りの生成の概要
2章 酵素反応による香気生成
(植物による香気生成/動物により生成される香気/微生物による香気生成)
3章 非酵素的反応による香気生成
(加熱による香気生成/自働酸化による香気生成)/
4章  香りと人間の関わり
(食べ物のおいしさを追求する人間/香りを楽しむ人間/香気生成反応を利用したフレーバーの製造)
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少し著者について調べてみた。特許はなさそうである。酵素処理フレーバーの研究をしているようで、1980年代に食品化学系の雑誌に投稿がある。乳関係のフレーバーの生化学的生成経路についての投稿もある。他にはバニリンの生合成経路、光学活性種の香気差異に関する研究、官能評価に関する研究がある。
今は友人が読んでいるので、手元に本が来たらもう少し読んでみようと思っている。(しかし…参考文献が網羅されていれば完璧なのだが…)

11/9/1 香りのマーケティング、セミナー・アワード2011

だいぶ時間がたってしまい、報告が遅くなってしまった。「香りのマーケティング、セミナー・アワード2011」1)に参加してみたので、どんな感じだったのか、メモしておこうと思う(会場でノートはつけていたが、羅列的であり、時間がたってしまうと自分でも最重要事項が分からなくなってしまうので、ここに記事の形でupしておく)

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講演プログラム (日時:9月1日(木)14:00~17:15(受付開始12:00~))
セッション1 (14:05~14:50)2)
「香りマーケティング国内外最新動向」田島幸信氏3)(香りマーケティング協会理事長)
セッション2 (15:05~15:50)
「香りが創るストレスフリー社会」吉岡亨氏4)(高雄医学大学客員教授)
セッション3 (16:05~17:15)
「広がる香りマーケティングの可能性」 パネルディスカッション
小沢学氏:キヤノンマーケティングジャパン株式会社
肥田不二夫氏:日本大学 芸術学部 教授
渡邊信彦氏:株式会社電通国際情報サービス

なおアワードは以下の商品が受賞した(9月1日 発表)
最優秀賞;「ヒノキ丸」:有限会社ベルマイン。優秀賞;「香りペーパー」:キヤノンマーケティングジャパン株式会社。特別賞(2社);「お香りらく」:株式会社大香、「あろま名刺入れ」:有限会社グリッタ。

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もっとも興味を持った話は「広がる香りマーケティングの可能性」 パネルディスカッションでの渡邊氏(電通)の話。スマートフォンの大衆への普及でAR技術、位置技術、クラウドデータベース等の技術が一気に生活を変え始めている。だがそこで伝えられている情報は?文字データであり、画像データであり、3Dデータであり、音声である。今後、最終的には香りが伝達、再現されるように期待されてゆくのではないだろうか?という話だ。そのためには匂いをデータとして送り発生させなくてはいけないのだが…。彼らは「香りをビジネスにしたい」「香りに注目させたい」としている。流行であり、ムーブメントが作りたい。そしてその渦中にいたいというメッセージを感じた。

だがこの話の本質的な解決のためには課題がある。匂いをデータ化し再現しなくてはいけないのである。技術シード無きままでの流行はあくまで一過性であり、生活のシフトだとかチェンジには繋がらない、と自分は思った。

ちなみに理事長の田島氏も「今後の展開」として上げていたのは、香りのTVの研究など。未知のステージが待っている(最近までNTTなども頑張っていた)。克服すべき課題としては
• 香りの言語化
• ベース化、要素臭化できないか?
• 香りの辞典のようなものを作り、要素の数値化をしたい
とのこと。

自分も関われる点があれば、関わってみたいのだが…

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1.香りマーケティング協会(セミナー・イベント情報)
2.Prolitec – Advancing Indoor Odor Control
Prolitec 日本総輸入代理店|マイクロフレグランス
Air Aroma – Scent Marketing, Diffusion and Fragrance Systems
エアアロマジャパン 公式サイト┃ air aroma japan official site
3.CiNii – 田島 幸信
特願2000-157248(特許1報見つけた)
4.CiNii – 吉岡 亨
(特許は発見できず)

香りの生成について調べたい

藤森先生1-3,a,bという東京農大の先生が香気研究をされている。

この先生の経歴は、東京教育大学(現在、筑波大学)大学院理学研究科修士課程修了、農学博士(北海道大学)、その後、日本たばこ産業株式会社(JT)にてタバコの微量(香気)成分に関する研究をされている。いくつか論文を発表されている。研究はタバコ中に存在する特殊香気成分cの分離、化学構造の決定である。その後香料会社にて、忌避剤(=虫除け効果のある物質)などの研究をされていたようである。これに関しては特許をいくつかとられている。香料会社では分析のスペシャリストとして後輩たちの指導もかなりなさったようである。香料会社を退職した後は、非常勤講師を経た後、東京農大の教授としてやはり香気分析を中心に研究活動をされている。

経歴から解る様に、植物~農学~GC分析dのスペシャリストである。自分などは殆どGCメインに触った時期は無いので、ぜひ色々教えてもらいたいくらいだ。専門的な話になるが、香気成分としてどのようなものが含まれているか知る際(定性分析)、役立つのがGC-MSDであり、古典的にはマスパターンの解読が必須である。香料外社内の業務的にはマスパターンは既知化合物のライブラリーとコンピューター上で照合で解析するのでパターン解読は必須ではないのだが、未解明の香気成分を特定しようとすると、まず避けて通れない(そのような仕事は香料会社というよりは、学術あるいは熱心な大手の仕事なのだ)。

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かねてより、個人的に要調査事項が自分にはあった。香気成分の生成経路解明である。植物によって様々な酵素の作用によって原料物質が代謝され香気成分(主に配糖体のような前駆物質)が植物内に蓄積される。条件(気象、外敵などの要因、生殖‥)が整うと蓄積された前駆体に酵素が作用し、香気が発せられるのである。そのような経路の研究は結構為されているのだが、成書としては少ないし、特に「香気」の生成経路に関して注目し、纏めたものにはお目にかかったことが無い。

なぜこの研究に関して調査する必要があるのかというと、香気物質の発生経路、特に微量ストロング香気成分の生成経路についても知識を蓄積しておきたいから、ということが一番の理由として挙げられる。

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藤森先生に紹介してもらった本は「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」4,fである。出版社ホームページにて確認をすると、自分の探していた、学術情報の領域に合致していそうである。
 
今までこのような調べモノにおいては医学系の代謝経路の解説本を主に参照していた。その本は「医薬品天然物化学」Paul M Dewick/著 海老塚豊/監訳(南江堂 2004年)5,6である。但し、この本はあくまでも生化学の「教科書」なので、
· 「不揮発性物質の代謝」が話の殆どを占める(興味が湧きにくい)
· メジャー成分の話は言及されるが、微量香気成分の代謝の話はあまり言及されない。
というのは、代謝経路というものを考えるとき、主に生体内の不揮発性物質をかなり経、そのような「不揮発性物質の代謝」が話の殆どを占めることになってしまう。そして、その話においてはどうしてもメジャー香気成分の話が中心になってしまい、微量成分の代謝の話はあまり言及されない。実は香気においては微量ストロング香気成分が香気の重要なインパクトとなっているeのだが。

自分としては香気成分の生成経路、代謝経路を明らかにしたい、微量ストロング香気成分の生成経路についても言及してあって欲しい、更にはそれらの初出文献まで知識をリンクするリファレンス群が欲しいと思っていた。出発点となるロードマップはこの「医薬品天然物化学」であるだろうし、「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」であろうと思う。もっとも、最終的には余力があった際に、自力で文献のリンクを構築するしかないのだろうが…。

「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」は香りの図書館か、早稲田大学の図書館にもあるみたい(?)なので、確認しようと思っている。

参考およびブログ内関連投稿
1.藤森嶺-香りの魅力を科学の言葉で-香りの科学入門--早稲田大学<エクステンションセンター早稲田校>-公開講座JAPAN
2.Amazon.co.jp: 香りの科学と美学: 藤森 嶺: 本
3.Welcome to Our Company : Home
4.|書籍|香り〈それはどのようにして生成されるのか〉|フレグランスジャーナル社
5.[ 南江堂 ]
6.医薬品天然物化学 : Paul M Dewick/著 海老塚豊/監訳 – セブンネットショッピング

a.aromaphilia: 香料・香気のデータベース化について
b.aromaphilia: 「香りの科学と美学」(藤森嶺)
c.aromaphilia: セスキテルペンの香料
d.aromaphilia: ガスクロ(GC)に関する基礎知識的なメモ
e.aromaphilia: 硫黄の匂い、「サルファーケミカルズのフロンティア(CMC 2007年3月)」
f.aromaphilia: 「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」蟹沢 恒好 (フレグランスジャーナル社2010年10月)

バラの入浴剤の香りイメージ作りを手伝う

アロマテラピーショップや雑貨屋さんに行くと、バスソルトが売っていることがある。大概は岩塩などにアロマオイルや粉末香料を混ぜたもののようだ。

高級感、クラシック感、ナチュラル~ハーバルという3つのイメージを持っていながら、ローズのニュアンスを感じられるバスソルトを作りたいという人が居たので、その香りを一緒に考えることになった。一般的にはお風呂用の香りは、以下の点に注意しなくてはいけない。
· 作ったときとお湯に入れたときで匂いのイメージが変わってしまう。
· お風呂に香りを入れてからどれくらい持たせたいのか(昔からあるファミリー用は香りが長持ちする)
· お風呂から上がって肌に残った香りが良いこと。
だが、今回は、
· 昔ながらの浴剤とは全く違う香りにしたい
· ファミリーで使うというイメージではなく、独り暮らしの女性が使うイメージ(香りはあまり持たなくても良い)
· 香水調では無いが、良い香りで、ビューティ感が感じられること
という、従来からのかなりイメージチェンジしたモノを作りたいようだ。そもそもアロマテラピー風呂、例えばお風呂に入る際に、肌に直接塗っても問題ないようなラベンダーオイルをお風呂に一滴垂らし、お風呂でラベンダー香気もあわせて楽しむ、というような使用感をイメージしていたらしい。それでは確かに従来の入浴剤とは対照的な商品になるだろうな、と思った。

残香のよさを演出すると同時に、お湯に垂らしたときもボリューム感が損なわれないようにウッド系をブレンドしたものに、バニリン系やパチュリをブレンドした。その上に本来のテーマであるゼラニウムと調合ローズをブレンドした。

とりあえず香りのコンセプト的なものを作ってみただけである。これを参考に少しずつ改良して商品化することにするらしい。個人的にももう少し作りこみたいお風呂用の香りだった。彼女のこの仕事がどのように展開していくのか、アイディア出しした自分としても気になる。

パレスサイクリング

実は自転車が好きである。自分の好みはロードレーサーだ。とはいってもガッチリ服装をコーディネートして、イタリア製やらフランス製やらのカーボンかアルミの超軽量ロードバイクに乗って…という本格的なものではなく、約15年落ちのパナソニックのクロモリのロードに普段の生活で乗る、というのが好きだった。(過去形にしたのは、乗っていたのは社会人の時代であって、現在、車体は福岡の実家に預けてある)

ロードレーサーはかなりスピードが上げられる。市街を移動する場合、車並みの速さで移動できる場面もある。実は自分はサイクルスポーツが好きというよりは、ロードバイクを足にする市街生活が好きなのだ。

市街地は舗装してあるため、特に、狭めの地方都市の古くからの市街地に住んでいれば、日常生活において市街のどこに行くのにもロードレーサーで事足りらせることが可能である。福岡なら中央区、京都なら中京区・下京区、というような”旧市”に拠点を持っていると、快適な自転車生活が可能だ。東京は広く、西日本の街よりアップダウンも多いので自転車に優しい街とは言い難いが、自転車生活を実践している人も多い。

最近「パレスサイクリング」を知った。皇居の周りに土日に近づいたら、ランナーが多いのは平日と同じなのだが、車を進入できなくしてロードバイクに車道を完全開放していた。何かのイベントなのかなと、最初は思った。後から電車内でネットで調べてみたら、今年に入ってから毎週日曜日にオープンしている「パレスサイクリング」とのこと。皇居を完全に一周できるわけではないのだけれども、内堀通り・祝田橋(最寄日比谷?)~平川門(竹橋)間往復約3km。自転車産業振興会というのが絡んでいるらしい。

驚くことに台数は制限されるのだろうけれども、自転車の貸し出しが行われている(周回制限あり?)ようで、ロードバイクやタンデムバイクもあるらしい。皇居の周りはランナーの増加に伴い、公共の入浴施設が充実してきている。近くに住んでいて、昔から持っているロードバイクに乗っていたら走りに行くのに…。

自転車産業振興協会
自転車 パレスサイクリング1周_10min (1.40) – YouTube
サイクリング道路の交通規制:警視庁

嗜好性とは何か、嗜好と文化成熟の関係について考えてみた

嗜好品に興味を持った。なぜなら多くの嗜好品は独特の匂いを持ち、嗜好品による満足感にはその強い匂いも大きな寄与を果たしている。

Wikipediaによると「嗜好という言葉のある中国には嗜好品というカテゴリーはなく、韓国語には「嗜好品」という言葉はあるが日本語の借用語といってよく、和英辞典の英訳もしっくりとしない。」とのこと。

「嗜好品の特質は以下のとおり。
• 普通の飲食物ではない。:栄養・エネルギー源を期待しない。
• 普通の薬ではない。:病気治療を期待しない。
• 生命維持に強い効果はない。
• ないと寂しい感じ。
• 食べると精神(心)にいい効果がある。
• 人の出会い意思疎通を円滑にする。
• 植物素材が多い。
ほとんどの場合、心理的あるいは薬理学的な機序により習慣性を有し、物質嗜癖の対象となりうる。嗜好品は、薬理学的依存形成作用の有無で二つに分けられる。すなわち炭酸飲料や菓子のように向精神作用はないが、味や香りなどによって心理的に習慣性を形成するものとコーヒーや茶[3]、アルコール、タバコなどのように、味や香りによる習慣の他に加えて薬理学的な依存性を有するものである。」

嗜好品の根底には「たしなみ(嗜み)」がある。たしなみ?たしなみと過度の依存性・習慣性との差はどこにあるのか?それは
• たしなみの対象は嗜好性(中毒性・依存性)を持つものの
• たしなみには社会的な容認が必要であって
• たしなみは節度を併せ持って行わなくてはいけない
という点にある。「大人のたしなみ」「男の嗜み」「淑女の嗜み」…いずれも中毒性がありながら、依存性・習慣性に強く嵌りすぎることなく、社会生活との両立、もしくはそれを用いて共同体内での意思疎通をより活発化・円滑化することが前提である(「たしなみ」の領域を超えて依存・習慣化してしまうと「身を持ち崩す(=ドロップアウト)」となってしまう)。

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さて嗜好品を楽しむために必要な要素はもうひとつあって、それは「嗜好品」を楽しむ人間の「成熟」が必要だということである。前述の依存性・習慣性のためでもあり、生命維持に強い効果はないためでもあるが、子供が大人になるにしたがって身につけるという性質を持っているのである。まさに「文化」を身に付けるごとくである。子供は成長するのに従って、「文化」の色に染まってゆくのと並行して、「嗜好品」の味を覚えてゆく、「嗜好品」との付き合い方を身につけて行く。「嗜好品」の味を覚えるというのは、味覚・嗅覚がその文化の中で成長し大人になってゆくことであって、「嗜好品」と上手く付き合えるようになるというのは、その文化の中で「社会性を身につけ」、共同体内での意思疎通をより活発化・円滑化することを象徴していることはとても興味深いことである。

多様な嗜好性を擁している文化は、成熟して複雑化した文化なのかもしれない。その文化の中で味覚も嗅覚も社会性もシステムも成熟して複雑化していて、その象徴として「嗜好品」文化、さまざまなカテゴリにおける成熟して複雑化した「嗜好性」が擁されている、とは言えないだろうか?

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財産や文化(=知識、システム)は戦争や災害によって破壊される。(戦争や災害などで)前世代からの引継ぎが少ない共同体は、努力しながら段々とそれらを蓄積してゆく。その結果、共同体には財産や文化が誕生する。それと並行し文化の「癖」ともいえる嗜好性が構造化し、それと並行し大人へと「成長」する際の障壁が高度化して行く。ただし、共同体が文化成熟する際には、多くの場合で社会の階層化と非流動化を伴う。そして、場合によっては共同体は閉塞し、文化は衰退する。

文化成熟した共同体下では、人間はストレスを感じるものである。自分の限界というものがあり、自由は制限され、高度な社会貢献が求められる。だからこそ、ほとんどの「嗜好品」において、心理的あるいは薬理学的な機序により習慣性を有する反面、それは社会的に容認され、大人が節度を持って、共同体内での意思疎通をより活発化・円滑化するのに用いるのではないだろうか。

その代わり、多くの嗜好品は独特の匂いを持ち、その嗜好品の匂いは共同体によって、文化的に洗練され続けてきた。満足感にはその強い匂いも大きな寄与を果たしている。こう書いてみると、「文化」と「五感とくに匂い・味」と「嗜好性」が密接に絡み合っていることが、(一部垣間)見え、もっと調べてみたくなる。論が乱暴すぎるが、考えていたので書いてみた。(リファレンスも探してゆきたい)

(引用)
嗜好品 – Wikipedia

香料開発は、実は作りこみの職人技(?)

香料開発は、実は作りこみの職人技である。

香りを研究しようとしている研究者は多いが、香料作りは研究しようとしても出来ない状態であり続けた。
• 原料が多種多様であること、入手ルートが限定される原料も多い。
• 香りを分析するのが難しかったし、今でも分析のみで全てが分かるわけではないこと。
• 調香したものですら分析で全てが分かるわけではないこと。
• 結局、配合比が分かったところで、なぜそれが良い匂いなのだか解らないこと。
したがって、職人が作りこんで、香料会社が売る。配合は明らかになることはなく、仮に配合が分かったからといって、原料の入手(特に特殊合成品や天然原料)には困難を伴い、特に新参者には難しい。

どのように匂いが決まるのか?匂いの印象を決定付けるものは何なのか?これに回答を出すことはとても難しい。しかし調香をかじった事のある人間だったら、その回答はうっすらと見える筈である。調香レシピを要素に分類し、大まかな香りの作りを把握した後に、細かい香りの部分を整えたり、強力な香気成分の添加で匂いのイメージと持続性と拡散性を強化したり…。

匂いディスプレイにおいては何を使うのかを選定し、あらかじめ選定したコンビネーションからさまざまな香りをディスプレイする性質が必要とされる。

この考え方において、「香料としての作り込み」ではなく「コンビネーション」の選定こそが、匂いディスプレイでは重要であることがわかる。

(このテーマは考え中…またいずれ)