メモ;アイスクリームおまとめ

食べたくなったのと、知人との話で話題に上がったのでちょっと見てみた。日本におけるアイスクリーム類は「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(乳等省令)によって分類されている。

・アイスクリーム
乳固形分15%以上(うち乳脂肪分8%以上)
・アイスミルク
乳固形分10%以上(うち乳脂肪分3%以上)
・ラクトアイス
乳固形分3%以上
・氷菓
上記の分類に含まれない冷凍菓子。かき氷、シャーベットなど。

なお、アイスクリームは氷点下-18度以下で保存されることが前提。

アイスクリームには乳の味に合うフレーバー(香料)が付与される。バニラ、チョコレート、ストロベリーの3種のフレーバーが主であったが、現在ではそのほかの果実や、抹茶、コーヒーなどの嗜好飲料のフレーバーを添加したものも多くなっている。アイスミルクやラクトアイスでは乳の味を補うためにミルクフレーバーも用いられる。

*乳脂肪の量や使用している乳原料の割合はかなりフレーバー設計に影響してくる。乳脂肪が多くなれば味わいは濃厚になるし、乳原料が多くなればマスキングの必要性が出てくると同時に調和する味に制限が出てくる。

1.アイスクリーム – Wikipedia 文章ほぼここから転記
2.アイスクリーム・シャーベット消費量 [ 2008年第一位 石川県 ]|新・都道府県別統計とランキングで見る県民性 [とどラン]
3.商品情報:フレーバー[B-R サーティワンアイスクリーム]
4.フレーバーの数は860種類、ギネスも認定したアイスクリーム専門店。 | Narinari.com
5.変り種フレーバーアイスセット|アイスクリーム通販・お取り寄せ販売【オーダーアイス・ドットコム】

フレーバークリエーション

博士課程志願のからみでスライドを準備した。結局のところ、香りを作るとは何なのか?それを説明する必要があった。その際考察して準備した内容に関して転記しておく。

フレーバーの処方作りにおいては、「創造」という言葉よりは、天然物の「模倣」という言葉がふさわしいと思う、アイディアを盛り込んで美味しさを追及する面ももちろん重要なので「クリエーション」・「創作」という言葉が相応しいのではないだろうか。

フレーバーとは「食品の香り、味、食感など口に入れた時に生じる感覚をまとめていう言葉。香味。」のこと。香料としては食品に用いる香料を指す。飲料用、製菓用(キャンデー、チューインガム、クッキーなど)、乳製品(クリームやマーガリンなど)、セイボリー(調味食品用;スナック類の味付け等)。他にも一般には知られることは少ないが、「たばこ用」や「飼料用」においても香料が用いられており、これらも「フレーバー」の範疇になる。

フレーバークリエーションにおいては、現実の食品をターゲットとしていて、リアリティある再現を狙う。フレーバークリエーションにおいて使う香料原料としては以下のものがある。
・脂肪族カルボン酸
・エステル
・ボディノート(ラクトン、フローラル、スィート)
・匂い自体は弱いが、味に効く原料

フレグランスでは酸・エステルを極微量しか用いないが、フレーバー用途の香料は、酸・エステルをかなり用いる。天然に見出されている化合物を用いて香料は構成される。反面、フレグランスには非天然合成香料が使用可能、特殊なグリーンノートやムスクやアンバーやウッディ素材が用いられる。

フレーバーにおいては直接食品から立ち上る香りだけではなく、レトロネイザル香気(咀嚼時のどの奥から中を通ってくる香気)が重要である。

フレグランスが、肌に残る残香も良い香りである必要があるのとは対照的に、フレーバーは口腔中において一気に現れ香味を演出する必要がある。フレグランス用途の香料には保留効果の高いラストノートを用いる。これに対してフレーバーではラストノートを多くしすぎてしまうと、味がくどくなってしまうので、フレグランス的な区分けで言うトップノートやミドルノート位の揮発性を持つ香料が用いられる。

フレーバークリエーションの作成時のイメージとしては
・強い香料でしっかりした骨格を作る
・枝葉の装飾は、しっかりした骨格を作ってからつける
・軸がしっかりした強い特性を持った調合香料
→調合ベースとして用いることが出来る

フレーバークリエーションにおいては香気分析がかなり重要なインフォメーションを与える。しかし実際の香気寄与が低いにもかかわらず大量に含まれている“バルク”の香気成分ばかりを用いると、香料としての“力価”の低い香料しか得られない。フレーバークリエーションにおいては低閾値ストロング成分、重要な寄与を与える成分を、中心に考える必要がある。強い成分は誇張しつつ、バランスは損なわれず、バルク成分を違和感なく削ぎ落としたコンパウンドを得る方向というものが、望ましいフレーバークリエーションである。強く、寄与も大きい香気成分で骨格を作った上で特徴を作り出す枝葉をつけ、肉付けを調製して行く、というのが官能評価を交えたフレーバークリエーションの実際作業になる。

フレーバークリエーションを行ってゆくと、ベース作成というものに行き着く。同じテーマであっても、○○タイプ、△△タイプというように細分化されたテーマとして追及しておき、その後それぞれのベースのバランス調整でいろいろなオーダーに対応することが可能となる。例えば、フルーツでもあくの強いタイプ、グリーンノートの強いタイプ、発酵感・完熟感を追及したタイプ、加熱調理したタイプ…というように色々準備しておけば様々なオーダーに対応が可能だ。またベースを利用すると、香料がイミテーションされにくい、という性質もある。

微量ストロング成分については、分析化学的に進歩してきたところと言える。分析技術の進展で見出される、微量ストロング成分を合成(製造)し、よりリアリティある香気を再現する。従来の分析ではなかなか見つけることが出来なかった低閾値ストロング成分が新たに見出されることで、よりリアリティある香気開発が可能になる(その低閾値成分を盛り込んだ力価の高い香料開発が出来ているかは、また別の問題だが)。

*微量ストロング成分以前の技術としては酵素処理フレーバーのような呈味と匂いの間くらいの香気(レトロネイザル香気に利く香気)開発が重要であった時期もある

1.Flavor Creation, 2nd Edition現物内容確認していないが、この本に上記大概の内容載っていると思う

a.aromaphilia: メモ;TEAC (11/19-21)
b.aromaphilia: 「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」蟹沢 恒好 (フレグランスジャーナル社2010年10月)

缶詰って面白いですよね

缶詰のことを深夜番組で案内していましたよ。
「課外授業 B級グルメ缶詰を学ぶ!缶詰博士が教える ご飯に合う缶詰ベスト3とは!?
清水佐紀/須藤茉麻(Berryz工房)矢島舞美/萩原舞(℃-ute) 」

缶詰ブログの管理人が映像で出演していました。
日本は缶詰の出荷量全世界の7割なんだそうな。
京都に居た頃、三条川端付近に缶詰ばかりを出してくれる居酒屋があって、
入ろう入ろうと思いつつもタイミングを逃して入ったことがなかった事がありました。

缶詰blog
美女学 :テレビ東京

商品開発に影響を与える(かも知れない)ソーシャルな挙動

MMRIによると「宝酒造株式会社(以下、宝酒造)は、ニフティ株式会社(以下、ニフティ)と株式会社小学館の雑誌「DIME」が運営する「酒コミュ」と共同開発した“寶「生姜梅酒」500ml”を3月15日より全国で発売すると発表した。」とのこと。

エンドユーザーと商品開発者がかなり接近している。これはソーシャルネットワークの発達によって商品開発者が活発に情報発信している、と同時に情報収集能力の高いハイエンドユーザーが積極的に商品開発動向をキャッチしているためであろう。ブログというメディアが、従来は表舞台に出てこなかった「商品開発」の職人たちの生の声をパブリックスペースにリリースするようになった。それに加えて、ハイエンドユーザーが集まり高度な商品知識を交換する「ファンサイト」。ファンサイトと密接な関係を持つオンラインマガジン。これらが連携している結果である。

この動きの特色を自分なりに抽出してみる(箇条書き)。
A) 高い情報パブリッシング能力を持つ商品企画者
B) ハイエンドユーザーの集団(「ファンサイト」)
C) ファンサイトと商品企画者を結びつけるパブリッシャー(商品発売段階では「広告発信」の役割も果たす、多くはオンラインマガジンがその役を担うことになる、実際に紙面体を持つパブリッシャーが強力である)

実は似ているものがある。ホンダやスバル、マツダ(ロータリー限定)の自動車販売戦略である。スポーツカーという高額で趣味性の高い商品はA+Cをメーカーがフォローすることによって販売を堅調に維持してきた側面があると思う。

この様な動きは当初高額商品のみだったのだろうし、今までもそのような商品企画が試験的になされてきたこともあったのだろうが、日用品に関してもその挙動が延長されてきているのだろう。特に趣味性の高い嗜好品(酒、スィーツ)やファッション(服、メイクアップ用品)でその傾向が顕著になる(もしくはなっている)と考えられる。今後、日本の消費活動がさらに内向きになり、旅や外食のような「非日常を楽しむ」よりも「日常を楽しむ」傾向が高まれば、よりハレとケの境目があやふやな傾向が高まれば、このようなエンドユーザー参加型の商品開発の挙動が増えていく可能性は高い。

面白い挙動だと思う。

宝酒造、ニフティや小学館「DIME」と共同開発の“寶「生姜梅酒」500ml”を3月15日に新発売 – 株式会社 MM総研

香気と呈味の相関、感覚の学習性の共感覚

“味と匂いの連携応答 ―食品開発の新たな視点―”

香気と呈味の相関について九大院農の下田密哉が商品製造の観点から論じている。「化学物質を評価する分析化学と人間の感覚を評価の軸とする官能評価、そしてこの二つを結びつける化学感覚情報処理の重要性」が強調され、特に食品業界で注目されているのが「味と匂いの連携応答」である。

味について、呈味物質は水溶性であり、味雷による化学検出が行われる。それに対して香気物質は多くが脂溶性の揮発物質であり、嗅毛上で検出されている。人間の場合には香気物質は嗅覚器官で受容されるが、生物によっては鋤鼻器官も受容に用いる場合がある。水中生物になると、“香気物質”も水溶性となり陸上生物とはかなり変わると考えられる。食品における味はレトロネイザル香気+テイストである。呈味刺激と香気刺激にはある種の官能上の混同が起こっており、化学感覚の連携応答が起こる。この感覚は短期間で学習できるために先天性の感覚との考え方も出来るが、一般には学習が重要である「学習性の共感覚」とされる。匂いによる味への連携応答は、質的変化と量的変化(増強)に分けて考える。

本論文中では塩味の増強が醤油由来香気によってなされるという研究結果が報告されている。塩分においては、一般成人の必要量を平均摂取量が上回っており、嗜好を満足させる摂取がなされていると解析できる(減塩は健康維持の観点から推奨されている)。この醤油中に存在する塩味増強匂い物質について単離・同定は出来ていないが、のどの渇き、塩味の強化、旨味の増強がおこった。

「」内は本文中から引用。参考文献として挙げられているなかでも、日本味と匂学会誌16, (2009);この巻号には今回のような総説が集められているようだ、読んでみることにする。

参考;
香料No.248, 2010, (12), p.21 

かるかんと薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)

○かるかん
かるかん、とは古くは鹿児島、現在では九州を代表する菓子のひとつである。ネットをみているとある程度の知名度はあるが、本州(四国・北海道含む)ではまだまだ販売数は少なそうである。古典的なものは羊羹、もしくはカステラの形状をしていて、「生地」のみだが、現在それ以上に流通していると思われるのが餡を入れた饅頭状のものである。1, 2, 3)

鹿児島の老舗菓子店のウェブページ2)には以下のように説明してある。
「原材料に自然薯(山芋)をふんだんに使った羊羹(棒羊羹)のかたちをした和菓子。空気をたっぷり含んで蒸されるため、ふんわり柔らかい。饅頭などの他の和菓子に比べても際立って白く、…口に運ぶとまろやかな甘さが広がる、小麦粉だけで作られた蒸し菓子とは違った自然薯(天然の山芋)のもつ香ばしさが飽きさせない。…真っ白な姿からは想像つかないほどのしっかりと主張とコクのある味。…「軽羹」の名前の由来は諸説ありますが、その中に「軽い羹」という意味からきたという説があります。…」

製法についてはウィキペディア1)の方が解りやすく纏まっている。
「原料としては、かるかん粉、砂糖、山芋を用いる。かるかん粉は米の粉である…。山芋については、やまと芋(ナガイモ)などよりも自然薯(ヤマノイモ)が適しているとされる。これらの原料に水を加えて蒸し、弾力性の有る白色の半スポンジ様に仕上げたのが軽羹である。…」

○ヤム芋(ヤマノイモ)
なお、よく間違いやすい「山芋」。これには全く植物として異なる2種が混同されがちである。さらにそれぞれ地方によって呼称が異なるので長文になるが整理する。4, 5, 6, 7)

ヤマノイモ(山の芋、学名:Dioscorea japonica)…は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属のつる性多年草。本州から四国・九州および、朝鮮半島、中国に分布する雌雄異株のつる植物で、元来は野生の植物であり、現在ではむかごの状態から畑で栽培されており、流通しているのは栽培ものが多い。一名ジネンジョウ、ヤマイモ、エグイモ、ジネンジョ、サンヤク、ヤマツイモ等地方により異名あり。

赤土土壌で採れたものが、風味がよいとされる。

基本的に、ナガイモと同じような食べ方をするが、風味にはやはり違いがある。ナガイモと比較すると遥かに粘り気が強く、普通にすりおろしただけだと餅や団子のようになり食べづらいため、出汁などを加えてのばす方法が一般的である。かるかん、きんとんなど、和菓子の材料にもなる。

○ヤム芋(長芋)
ナガイモ(長芋)は、ヤマノイモ科ヤマノイモ属の Dioscorea batatas。シノニムとして D. polystachya、D. opposita などがある。利用法によっては漢名の山薬(さんやく)、薯蕷(しょよ)、英語名のチャイニーズヤム (Chinese yam) でも呼ばれるが、ヤマノイモ属の食用種の総称ヤム(yam)をヤマノイモ、ヤマイモと訳すことがある。しばしばナガイモ(長芋)はヤマノイモ、ヤマイモと呼ばれるために混同する(ヤマトイモという呼び名もあるが地域によって意味が異なり、ツクネイモまたはイチョウイモをさす)。

中国原産で、日本へは17世紀以前に渡来した。最も高緯度で栽培されるヤムイモのひとつである。雌雄異株のつる植物で、夏に花を付ける。ナガイモはヤマノイモ(自然薯)と異なり日本原産の野菜ではなく、また山野に野生化することも無い。また、染色体の数も異なる。

芋の形状その他により数種類の品種群に分類されている。ただし、品種として完全に分かれているわけではなく、たとえばナガイモからツクネイモが収れたりすることもある。

・ナガイモ群…円柱状の芋を持つ。芋の粘りは少なく、きめも粗いが、生産は比較的容易。主な産地は青森県上北地方、北海道帯広市、幕別町、長野県中信・北信地方など。近年では、ヒゲ根や毛穴がほとんどなく、皮ごと調理可能なナガイモが品種登録されている。
・ツクネイモ群…芋は丸みを帯びる。粘り、きめの細かさがナガイモやイチョウイモよりも強く、ヤマノイモ(自然薯)と並び、最も美味とされる。主な産地は兵庫県丹波市・篠山市(黒皮種の丹波ヤマノイモ)、奈良県・三重県(白皮種の大和イモ、伊勢イモ)。
・イチョウイモ群…芋は扁形で、下は広がる(イチョウ形)。ナガイモよりは粘りが強い。主な産地は群馬県太田市尾島地区(大和イモ)。

ヤマノイモ同様、長く伸びる芋を食用にし、すりおろしてとろろにする調理法が代表的。これは、澱粉質を分解する消化酵素であるジアスターゼ(アミラーゼ)を多く含んでいるので、加熱に弱く、生食が適することによる。ただし、すりおろしたナガイモは焼き上がりをよくするためにお好み焼きなどの生地に混ぜられることもあり、粉末状にした専用の長芋粉も販売されている。

○薯蕷(じょうよ)饅頭
さて、このような背景を持つ「軽羹」。ただし、ヤム芋系の芋と、穀類の粉と上白糖の組み合わせから出来る蒸し菓子として忘れてはならないのが、薯蕷(じょうよ)饅頭である。なお薯蕷(じょうよ)は「上用(じょうよ)」という当て字を使って読むことがあり、最近では、こちらの方が一般的。例えば虎屋は薯蕷饅頭についてウェブ上で以下のように紹介している。10)
「薯蕷饅頭は皮につくね芋を使ったお饅頭です。その歴史は古く、江戸時代に京都で生まれたといわれています。つくね芋特有のきめの細かさ、しっとりとした上品な味わいが特徴です。」

上用万頭を食べるとその老舗のレベルがわかるといわれるほど、シンプルなのに、基本を問われるお菓子である。薯蕷(じょうよ)万頭は、茶席においても主菓子として使われる。茶で珍重される理由は茶との相性が特によいからである。茶の香気を損ねない饅頭を作るためためには、匂いの強い動物性のつなぎを使いにくく、植物性のつなぎとしてこのヤム芋系のつなぎが発達したのではないか。8)

もっとも蒸し菓子に適したヤム芋は調べた範囲では日本土着の自然薯だと考えられる。1)ただし、野生種で栽培が難しい、栽培条件(おそらく気温、詳細未調査)が限られるため、同様の蒸し菓子を作るためにはもっともつなぎ効果の高い長芋系であるつくね芋を使った菓子も多いのだろうと考えられる。自然薯は最適産地(気温、火山灰地)である鹿児島では軽羹のつなぎとして用いられ、関西ではつくね芋(長芋)が薯蕷饅頭でつなぎとして用いられているのだろうと考えられる。それでも、どちらも文献に登場するのは江戸時代からであり、格式の高い菓子として位置づけられ、高度な製菓技術を要求される献上菓子の地位にあることは面白い。日本としてひとつの菓子文化として共通する考え方の筋が通っており、それぞれの土地でその菓子に対しする考え方を具現化したものが、それぞれ軽羹と薯蕷饅頭なのだろうと思った。

なおヤム芋は熱帯~温帯に生育し、特に熱帯では主食として用いられる。日本では、さつまいもやじゃがいもが無かった時代には、いもといえば、山芋をさしたようで、現在、日本で採れる山芋は、大きく分けると、長いも、大薯(だいしょ)、自然薯(じねんじょ)の3種類で、農林水産省の統計種類でも、この3種類を山芋と呼んでいる。7, 9)

日本の菓子文化も面白いものだなぁと思う。

1.軽羹 – Wikipedia
2.軽羹百話-軽羹とは
3.CiNii 論文 –  かるかんの起源について
4.ヤマノイモ – Wikipedia
5.ヤマノイモ Dioscorea japonica 薯蕷 野山藥(2900)* – ギンジョーの薬草ハーブ日和
6.ナガイモ – Wikipedia
7.おいしいねっと~山芋(やまいも)
8.(関連投稿)aromaphilia: 茶の香気を尊重する菓子、嗜好品の時間における香りの調和
9.(関連投稿)aromaphilia: 世界の食文化地図
10.とらやの和菓子 特別注文商品 -薯蕷饅頭-|株式会社 虎屋

屠蘇やら七草粥やらのメモ

新年にまつわる食べ物は多いが、お屠蘇とは何なのだろう。答えは漢方薬のようだ。独特のあの香りを嗅ぐと新年だなぁと思う。組成例はwikipediaからの引用だが、匂いも強いものばかりである。

「山椒・細辛・防風・肉桂・乾薑・白朮・桔梗」

なお、春の七種…春の七種とは以下の7種類の植物である。

○名前 現在の名前 科名
・芹(せり) セリ セリ科
・薺(なずな) ナズナ(ぺんぺん草) アブラナ科
・御形(ごぎょう) ハハコグサ(母子草) キク科
・繁縷(はこべら) ハコベ(蘩蔞) ナデシコ科
・仏の座(ほとけのざ) コオニタビラコ(小鬼田平子) キク科
・菘(すずな) カブ(蕪) アブラナ科
・蘿蔔(すずしろ) ダイコン(大根) アブラナ科

とりあえずメモを切り貼りした(詳しく書くかも)

屠蘇 – Wikipedia
屠蘇(とそ) 飲む・楽しむ 月桂冠
七草 – Wikipedia

茶の香気を尊重する菓子、嗜好品の時間における香りの調和

いったん香りから離れて茶を中心に嗜好品の中にある調和について考えてみる。

嗜好品の時間は日常の中に紛れ込んだ非日常の時間であり、異国から取り寄せた品々を楽しんだり、領内の名品を楽しんだりする。名品を色々そろえて楽しむ場合に、特に重要になるのが「取り合わせ」である。互いのよさを打ち消しあってしまわないように、片方だけが目立ってしまわないように取り合わせには注意をする。お菓子とお茶の組み合わせに注意する。酒と肴の組み合わせに注意する。器が食べ物・飲み物を損じないように注意する。などなど。

飲茶の工夫を凝らした甘い菓子と、花の香りの豊かな茶の組み合わせ。口の中でさっと溶ける上白糖を多用した和菓子と、パワフルなコク・苦味・清々しい後味をもたらす抹茶の組み合わせ。良い生乳から得られるクリームと程よくスパイスの効いた焼き菓子と、紅茶の組み合わせ。乳製品と小麦粉を多用したケーキとコーヒーの組み合わせ。これらには互恵関係あるいは補完関係とも言える調和がある。

さてこれらには呈味に限定されない調和があると思う。香気に関してみてみても、そこに調和が考えられていることが見て取れるように僕には思える。発酵茶の花の香りには油脂の香りも、ココナツやオールスパイスの甘い香りもマッチするために菓子に多様な材料を用いる。コーヒーにはスパイス類(たとえばスパイスが沢山入った焼き菓子など)やフルーツ特にラクトンリッチなフルーツが合わないので、そのような菓子は避ける(フルーツは酸もエステルもマッチしないが、かなり冷たく冷やしたジェラートのみが例外か…但し合うコーヒーはロースト香が濃厚なエスプレッソだ)。発酵させない日本の緑茶(抹茶含む)はグリーンノートと飲んだ後の爽快感が至上であるので、和菓子にはその香りを損なうような油脂や香辛料はほとんど使わない。

このように羅列してみると、茶の香気と菓子の香気の組み合わせにはかなり限定があることが分かる。相互に良さを打ち消さない組み合わせのみが許されているといった感じだ。しかしこの組み合わせは多くの人たちが試行してきた組み合わせの中の調和例なので、今その組み合わせで茶と菓子が供されてもその調和感はすばらしい。

呈味にしても香気にしても古くからある組み合わせにはそれ相応の確固たる調和があるのではあるまいか?本物を本式のやり方で味わうということが重要なのだと思う。

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なお日本の茶道に関しては誕生の経緯が複雑であるので海外の喫茶文化と並列に並べると制約の多さのために「菓子と茶を楽しむ喫茶」とは別物なのではないかという錯覚を覚える人も多いのではないかと思う。日本の茶道の成立要件をかなり乱暴に述べると、

·中国伝来の器を珍重する文化がそもそもあった
·過剰な装飾を禁じると同時に客への表敬と所作の簡素化を研鑽した(過剰な装飾へのアンチテーゼが簡素な茶室、楽茶碗をはじめとする道具立てに繋がった)
·客に供するものの中で最も重要なものは抹茶である(器が優先な場合もあるが、通常菓子は茶以下)

であって、学べば学んだだけその調和が考えられたものであることが分かり面白い、と筆者は考えている。

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注)この表題のテーマは自分自身「茶道」を齧った事があったために、前から関心があって、きちんと調べてきちんと書きたいと思っていた内容。リファレンスなどもぼちぼち集めて行きたいと思っている。

世界の食文化地図

雑誌「香料」を眺めていたら、文化人類学者の石毛直道が寄稿で食文化について纏めていた1)

食文化(特に調味料、香辛料)に関して地産性がその土地の食文化に多大な影響を及ぼしていることは周知の事実である。しかしながらその概要に関して上手に纏められたレビューがあまり無いので難儀していた。本稿にて世界各地で栽培・飼育されている食品・香辛料・調味料の世界地図が載っており、食文化に関して考え始めるのに役に立つ。図のタイトルのみを列挙してみる。

•図3 15世紀頃の主な穀物の分布
•図4 15世紀頃のイモ類を中心とした根栽作物の分布
•図5 15世紀頃の主な食用・乳用家畜の分布
•図6 伝統的な食用油料植物と動物性油脂の分布
•図7 伝統的な調味・香辛料の分布

おそらく図の引用は寄稿最後の参考文献一覧にある「世界の食文化地図」だろうと思う。味の素が編集出版しているようだ2)。なお、味の素の全集は結構多くの図書館で閲覧できるようだ3)

文化人類学的な観点から食や香りの嗜好性を考えていくのは面白い。この寄稿を書いている石毛直道にしても味の素の全集を編集した吉田集而(よしだ しゅうじ)4)にしても。

1.香料247, p.21 (2010.09)
2.財団法人食の文化センター|財団活動のご案内|刊行物|講座 食の文化 全7巻|第1巻
3.公立の図書館検索で最近役立つなぁと思うのは以下のサイト
東京都公立図書館横断検索
4.よしだ しゅうじ 吉田集而

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aromaphilia: 魚の匂いと和食の調理技術