フレグランスクリエーション

(前回に引き続き;博士課程志願のからみでスライドを準備した。結局のところ、香りを作るとは何なのか?それを説明する必要があった。その際考察して準備した内容に関して転記しておく。)

フレグランスの究極的な目的は、清潔感の演出、色気の演出、にある。その効果を狙ってオリジナルの香りを創造する。重要なのは「調和感」とイメージの演出になる。

イメージの演出とは、フレグランス史の文脈における香りの表現のことである。調香の中にどんなアコードを感じられるか?そしてそのアコードの記憶は香水や昔使っていた化粧品の記憶に繋がっている。嗅いだときに知っている香りだったり、今まで見てきた中で良い香りと意識させられたり、逆に「嗅いだことない、苦手かも」と感じてしまったり、色々な意識が立ち上ってくる。

さて、フレグランスの調香のためのトレーニングもフレーバーのものと似ていて、まず単品香料の記憶、少点数の原料からのアコードの習得、簡易化された処方の習得から始められる。
◆香料のニオイを記憶する実習(単品香料 天然・合成)
◆香料を混ぜ合わせ、調合香料を作る調香実習
◆調香した香料を食品や化粧品に付香して商品化するアプリケーション技術

香料を混ぜ合わせた時の匂いの変化は
• バラバラに出る
• 一つのイメージになる(強くなる)
• 一つのイメージになる(弱くなる)
• 別のイメージになる
という4つがある。このうちアコードとして記憶すべきなのは強くなる場合と、新しいイメージに結像する場合である。これらの積み重ね、またはこのような方法論で、良い匂いは開発・開拓される。

香調とアコードの関係の話に付け加えておくと、ファッションの最先端となるような斬新で市場を席巻した香水が出現すると、その香調はイミテーションされ、香調はシャンプーのようなより低価格のトイレタリー商品に波及する。従って、フレグランスにおいて真に求められるのは斬新な香調の開発になる。斬新な香調は、今までなかった良アコードから作り出される、全く試されていなかった組合せから新アコードが出てくることもあるし、新規合成ケミカルを使った新アコードを導入するなどの場合もある。

フレグランスに関してはアコード以外に良く見かける三角の図(トップ、ミドル、ラスト)がある。これは最初にトップノートが香り、その次に香水のメインの部分であるミドルが香り、最後にラスト(ベース)ノートが香ります、という説明だと思われがちだが、それは半分くらいしか合っていない。「アコードの補助」という考え方として、保留剤で持続時間を長くし、香調変化をマイルドにするという考え方と、トップノートの付与で香りを強くし全体の立ち方を向上させるという考え方があり、これが残り半分だと思う。化学で言うと“共沸”的な考え方である。

またこの図は余り有名ではないのだが、良いアコードを見出したとき、そのアコードを微調整しブラッシュアップしてゆく必要がある。同じ系統の香料をどう使い分けるのか、ベースとして組むとき何に注意するのか、細かいモディファイアーをどう使いこなしてゆくのか、これらを考える際にとても役に立つ。尖がった所をなくしてゆく、間を埋められるようにして丸い仕上がりにあるようにしてゆく、硬いものと軟らかいものを使い分けて組合してゆく。このときの使いこなしのイメージはこの図のような組み方である。

1.Amazon.co.jp: 香りの創造―調香技術の理論と実際: ロバート・R. カルキン, J.シュテファン イェリネック, Robert R. Calkin, J.Stephan Jellinek, 狩野 博美: 本 図引用ここから

a.aromaphilia: 調香のインサイト
b.aromaphilia: 立つ香り、沈む香り
c.aromaphilia: 香りの知財戦略、意匠戦略

澁谷達明「匂いと香りの科学」朝倉書店 (2007/02)1

澁谷達明2は結構高齢なはずの脳科学の先生である。彼は嗅覚と脳に関して大きな足跡を残してきた研究者である。大学機関を定年退職した後も、嗅覚味覚研究や香りの科学関係の出版に携わり、「香りの科学」を牽引してきた。

嗅覚に関するブレークスルー、つまり研究手法や考え方が一新された出来事は、1990年代のバックとアクセルによる嗅覚受容体3に関する遺伝子が見出されたことだと言えるだろう。これによって彼らはノーベル賞を受賞し、嗅覚の“生化学的な検出機構”に一定の結論が与えられたc。とくに2000年代に入った頃には、生化学的な現象解析には分子生物学が、認知機構などの解析には非侵襲的な脳科学的手法が用いられることが一般的となるようになった。

澁谷達明は主にこの「ブレークスルー」以前の時代、嗅覚に科学的にアプローチした研究者だと言える。時代柄、侵襲的な研究が多く、倫理面から非侵襲的な研究が重視される現代の脳科学とは幾らかの差異を感じる。確かに脳科学の手法はこの四半世紀で大きく変化し、新たに見出された事も多かったと思う。しかし彼が残してきた嗅覚~脳科学研究の業績はとても大きいものだ。彼は1989年にその時代における“香りの科学”に関する教科書的な本を出版している。「匂いの科学」(朝倉書房1989)4である。その上梓から約20年、その間「ブレークスルー」もあり、上記のように“香りの科学”周辺は大きく前進した。澁谷達明の「匂いと香りの科学」朝倉書店 (2007/02)が上梓された背景は正にその前進のためであった。

「ブレークスルー」前の「匂いの科学」もその執筆陣はかなり豪華なものであったが、その後の「においと香りの科学」でもかなり豪華な執筆陣が各セクションを持っている。以前より自分も感じていることなのだが、匂い・香りの科学は実に多分野にまたがっており、化学・生物科学(分子生物学など)・生理学(脳科学ももちろん含む)・医学・心理学・農学と幅広い分野(あるいはそれ以上かもしれない)でさまざまな研究者が研究を重ねている。澁谷先生はその進展に対してそれらを纏め、上梓することがこの研究分野において必要なのだと感じられたのだと思う。実際この本は幅広く第一線で活躍している研究者達によって執筆されているのである。

版数は余り多くなく、各章はかなり専門的だが、学際領域を鳥瞰できる、自分としてはとても勉強になる一冊だと思っている。

参考;
1.朝倉書店| 匂いと香りの科学
2.CiNii Articles 検索 –  澁谷達明
3.嗅覚受容体 – Wikipedia
4.Amazon.co.jp: 匂いの科学: 高木 貞敬, 渋谷 達明: 本

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以下に自分として気になる項目に関してメモしておく。

(p.50) 表3.1にゲノム解析の終了した生物における受容体遺伝子数を纏めてある。進化史上視覚と聴覚の進化に伴って嗅覚受容体に関する遺伝子の偽遺伝子化が急速に進んでいる。確かに匂い・味・フェロモンといった化学刺激はプリミティブな生物にとって重要な刺激である。反面、光や音という物理刺激は生物にとっては検出しにくい刺激であり、目や鼓膜のような検出機関はかなり高度な進化の末に獲得された器官である。ものすごく大雑把に言うと、プリミティブな生物ほど化学刺激による情報に依存した行動を取り、進化した生物ほど物理刺激による情報に依存していることを象徴している。脳科学的にも、においに関するレスポンスは古い脳である“爬虫類の脳”を一度通ったりするが、音や画像情報は旧皮質や新皮質がかなり反応するとの事で、生物進化において“匂い”の役割がどのように変化してきたのかを窺い知ることが出来る。a,b

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(p.52) 嗅覚受容体のリガンド結合部位では疎水性のアミノ酸が受容空間を作っている。このためリガンドとレセプターは緩く(低親和性で)しか結合できず、構造類似する広範囲の匂い分子を分子認識する(図3.2)。(p.57)匂い情報は受容体で分子認識され嗅球で“2次元変換”されて、脳内では画像認識などのような認識をされていると考えられている。電子掲示板に映し出される画像のように、複数の糸球の発光パターンとして表示されているのではないか、と考えられている。このような低親和性の分子認識+センサーアレイ+パターンマッチングが匂いの生体での認識だと考えられる。

このような認識機構のおかげで、匂い分子が構造決定基から言うと数万種類あって、潜在的な可能性としては多種多様な匂いの識別が必要であるにもかかわらず、1000種類前後の嗅覚受容体(偽遺伝子含む)だけで識別に差し障りがない、と考えられている。f

(この項目は書いていないことだが)外池先生もセミナーa,b中に言っていたが、おそらく匂い分子の刺激だけで匂いが認識されているわけではなく他の刺激も複合化されて認識されていると考えられる。例えば味覚刺激とレトロネイザル香気(喉の奥から鼻に抜けてくる咀嚼中の香気)dは、脳内で刺激が統合されて、“味”として認識されているのではないか?というような現象がある。

また別途気になることも出てくる。なぜ他愛ない特定の化合物が低閾値で、高い香気の特徴付けの役割を果たしているのか?“特定の化合物”としては、カロテノイド化合物(イオノン系、ダマセノン類)、バニリン骨格、マルトールのようなスイートノートのような“他愛ない”化合物が挙げられる。また例えば含硫化合物eやピラジン類のような特殊な形状のものは低閾値のものが多い。それらが低閾値でなくてはならない生物進化学的な理由付け、それらを低閾値たらしめる受容機構の化学的(ホスト~ゲスト化学的)なメカニズム解明はとても興味が持たれるところだ。

メモ;
澁谷達明「匂いと香りの科学」朝倉書店 (2007/02);A5/264ページ/2007年02月20日、ISBN978-4-254-10207-9 C3040 (ISBN-10: 4254102070)
澁谷 達明;1931年東京都に生まれる。1958年東京教育大学(現筑波大学)大学院理学研究科修了。筑波大学名誉教授。嗅覚味覚研究所所長。理学博士
市川 眞澄;1950年長野県に生まれる。1979年東京大学大学院理学系研究科修了。現在、(財)東京都医学研究機構・東京都神経科学総合研究所副参事研究員。理学博士1

関連投稿;
a.aromaphilia: メモ;色々な香り研究の先駆者 (外池光雄)
b.aromaphilia: 11/12/12外池光雄「最近の脳研究から匂いの脳活動はどこまで解明されたか」
c.aromaphilia: 改めて「匂いの心理学」から学ぶ
d.aromaphilia: 香気と呈味の相関、感覚の学習性の共感覚
e.aromaphilia: 硫黄の匂い、「サルファーケミカルズのフロンティア(CMC 2007年3月)」
f.aromaphilia: 匂いに関して、分子受容体とセンシングとディスプレイ(提示機)に関して、少し考えてみた

メモ;色々な香り研究の先駆者 (斉藤 幸子)

今後調べていこうと思っている名前を列挙しておく。

斉藤 幸子;経済産業省産業技術総合研究所 生命工学工業技術研究所人間情報部 (2001年 CiNii収録論文より)「特集にあたって : においの心理的体験が人に与える影響 (2001)」など。

…とは書いてみたものの、どんな研究をしていて、現在の所属がどこで、という情報がなんだか分かりにくい研究者の方。本当はもう少し詳細について調べたいのですが、結構大変そう。とりあえずメモを切り貼りして作ったのでコピペしてみます。その上、同姓同名の研究者の方もいらっしゃって、仕分けが必要でした。タイトルのみで判断してみたのですが、別の研究者の方を誤ってリストに入れてしまったり、取りこぼしたりしているかもしれません。(自分用ですので、お時間のある方のみご覧下さい)

メモのメモ;
斉藤幸子氏論文一覧 – 論文relation
斉藤幸子氏論文一覧 – 論文relation
齊藤幸子氏論文一覧 – 論文relation
斉藤幸子氏論文一覧 – 論文relation
斉藤幸子氏論文一覧 – 論文relation
CiNii 検索 – 斉藤 幸子

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1
特集にあたって : においの心理的体験が人に与える影響
斉藤 幸子
臭気の研究 = Odor Control Association journal 32(2), 65, 2001-03-20

1
S-2-5 Perceptual and cognitive process by brain image and psychophysical approaches : 脳イメージと心理物理手法による味嗅覚の知覚認知(<特集>ISOT/JASTS 2004)
斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 11(3), 302-304, 2004-12

2
QRDA手法の応用性の評価 : 悪臭の実験データへの適用
齋藤 堯幸 , 斉藤 幸子
尺度混在データに関する冗長性分析の手法(QRDA)が提案され, 人工データを用いてその有効性は評価されているが, 実際の現象解析に応用された例はない.QRDA手法の特徴は, ある変数セットが他の変数セットに従属する関係を分析し, かつ各変数セットが連続変量とカテゴリカル変量から成り立つことが特徴である.この研究では, その特徴を考慮し, 臭気公害に関する実験データにQRDA手法を適用し, 心理変数 …
計算機統計学 13(2), 105-114, 2001-05-30

1
スティック型嗅覚同定能力検査法(OSIT)による嗅覚同定能力:年代と性別要因
綾部 早穂 , 斉藤 幸子 , 内藤 直美 [他]
Aroma research 6(4), 368-371, 2005
被引用文献1件

2
環境臭気におけるにおいの質の評価のための記述語の選定 : 記述語による日本の日常生活臭の類型から
斉藤 幸子 , 綾部 早穂
臭気の研究 = Odor Control Association journal 33(1), 1-12, 2002-01-20
参考文献12件 被引用文献9件

3
ニオイの知覚に及ぼす経験の影響
綾部 早穂 , 斉藤 幸子 , 菊地 正
Many studies suggest that perceptual learning plays an important role in olfaction. A cross-cultural study has demonstrated that everyday experience influences on judgment of pleasantness, familiarity …
筑波大学心理学研究 24, 1-5, 2002
機関リポジトリ 被引用文献6件

4
花の香りの評価における官能評価尺度の有効性
森中 洋一 , 半田 高 , 竹内 晴彦 , 綾部 早穂 , 斉藤 幸子
花の香りについて, 評定者に特別な訓練を受けていない一般人を想定し, 専門用語を用いない官能評価法を設定することを目的として, 先行研究(竹内ら, 1995)では17種類の生花の香りを評価対象とした官能評価を行った.この結果から, 花の香りの官能評価尺度として16組の7段階両極尺度を設定した.本研究では, この16組の7段階両極尺度を先行研究で使用した17種類のうち14種類を含む30種類の生花の香 …
園芸学会雑誌 70(5), 636-649, 2001-09-15
CiNii PDF – オープンアクセス 参考文献24件 被引用文献1件

5
花の香りの官能評価尺度の有効性の検討(1997年度日本味と匂学会第31回大会)
森中 洋一 , 半田 高 , 竹内 晴彦 , 綾部 早穂 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 4(3), 613-616, 1997-12

6
香りがアーチェリー選手の心理状態及びスポーツパフォーマンスに与える影響
三澤 紗織 , 吉川 政夫 , 斉藤 幸子 , 綾部 早穂
日本体育学会大会号 (48), 196, 1997-08-29

7
ニオイの再認記憶に及ぼすラベルの影響
綾部 早穂 , 菊地 正 , 斉藤 幸子
The effect of verbal label on recognition memory was investigated for 20 everyday-life odors. Four experiments were performed for this purpose. The label group learned the odors with accompanying verb …
日本味と匂学会誌 3(2), 27-35, 1996-08

8
花の香りの評価と利用に関する研究 : (第3報)官能評価による花の香りのイメージ構造の解析
半田 高 , 森中 洋一 , 竹内 晴彦 , 綾部 早穗 , 斉藤 幸子
園芸学会雑誌. 別冊, 園芸学会大会研究発表 65(1), 38-39, 1996-03-29

9
熟知しているニオイの再認記憶に及ぼす言語的符号化の影響
綾部 早穂 , 菊地 正 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 2(3), 263-264, 1995-12

10
花の香りの評価と利用に関する研究 : (第1報)官能評価用語の選定と多次元尺度法の適用
半田 高 , 青木 恵子 , 竹内 晴彦 , 綾部 早穂 , 斉藤 幸子
園芸学会雑誌. 別冊, 園芸学会大会研究発表 64(1), 440-441, 1995-03-29

11
花の香りの評価と利用に関する研究 : (第2報)官能評価の再現性と提示条件の検討
森中 洋一 , 半田 高 , 竹内 晴彦 , 綾部 早穂 , 斉藤 幸子
園芸学会雑誌. 別冊, 園芸学会大会研究発表 64(1), 48-49, 1995-03-29

12
中学生の性格特性を把握するためのニオイの選定 : ニオイによって喚起される感情特性を指標として
綾部 早穂 , 佐藤 親次 , 谷川原 千恵美 , 渡辺 有香里 , 松崎 一葉 , 斉藤 幸子
人間工学 31(1), 71-73, 1995-02-15

13
ニオイの再認記憶と快不快評価に及ぼす言語ラベルの影響
綾部 早穂 , 菊地 正 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 1(3), 456-459, 1994-12

1
同一のにおい刺激に対する情報付与内容の操作が心臓血管反応に及ぼす影響
秋山 優 , 戸田 英樹 , 小早川 達 , 斉藤 幸子 , 長野 祐一郎 , 小林 剛史
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment 40(3), 177-185, 2009-05-25

2
持続臭気の時間依存強度と知覚特性の関係
斉藤 幸子 , 綾部 早穂 , 小早川 達
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment 39(6), 399-407, 2008-11-25
医中誌 参考文献14件 被引用文献2件

3
P-097 カレー1臭による嗅覚スクリーニングの可能性(ポスターセッション,2007年度日本味と匂学会第41回大会)
志賀 英明 , 三輪 高喜 , 戸田 英樹 , 小早川 達 , 斉藤 幸子 , 古川 仭
日本味と匂学会誌 14(3), 517-518, 2007-12

4
におい刺激に対する感覚強度に及ぼす認知的要因の影響 : 短時間・断続的に提示されるにおい刺激に対して
小林 剛史 , 小早川 達 , 秋山 幸代 , 戸田 英樹 , 斉藤 幸子
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment 38(6), 444-452, 2007-11-25

5
人間ドックにおけるスティック型嗅覚検査法(OSIT)による嗅覚障害スクリーニングの検討
志賀 英明 , 三輪 高喜 , 塚谷 才明 , 木下 弥生 , 斉藤 幸子 , 小早川 達 , 出口 雄一 , 古川 仭
日本耳鼻咽喉科學會會報 110(8), 586-591, 2007-08-20

6
認知的要因が特定悪臭物質の快不快に及ぼす影響 : 臭気順応計測システムによる計測
戸田 英樹 , 斉藤 幸子 , 杉山 東子 , 後藤 なおみ , 小早川 達
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment 38(1), 18-23, 2007-01-25

7
P-060. 左利き被験者の area Gの位置-利き手と area Gの位置の関係(ポスターセッション, 2006年度日本味と匂学会第40回大会)
脇田 真仁 , 小川 尚 , 長谷川 佳代子 , 小早川 達 , 坂井 信之 , 肥合 康弘 , 山下 康行 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 13(3), 461-462, 2006-12

8
スティック型嗅覚検査法による嗅覚障害評価の検討
篠 美紀 , 古田 厚子 , 内田 淳 , 横森 恵夏 , 鈴木 恵美子 , 大氣 誠道 , 斉藤 幸子 , 出口 雄一 , 洲崎 春海
日本鼻科学会会誌 45(2), 148-153, 2006-07-31

9
においに対する教示はにおいの脳内情報処理に影響を与える
坂井 信之 , 小早川 達 , 戸田 英樹 , 山内 康司 , 斉藤 幸子
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment 37(1), 9-14, 2006-01-25
医中誌 参考文献12件 被引用文献4件

10
P2-21 fMRIによるヒト大脳皮質第一次味覚野の同定(2005年度日本味と匂学会第39回大会)
脇田 真仁 , 小川 尚 , 長谷川 佳代子 , 小早川 達 , 坂井 信之 , 平井 俊紀 , 山下 康行 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 12(3), 475-476, 2005-12
CiNii PDF – 有料 医中誌 参考文献5件

11
断続提示されるにおい刺激に対する感覚強度変化 : 認知的要因と学習効果
小林 剛史 , 小早川 達 , 秋山 幸代 , 戸田 英樹 , 斉藤 幸子
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment 36(1), 23-30, 2005-01-25
参考文献9件 被引用文献3件

12
嗅覚障害患者を対象としたスティック型嗅覚検査法の臨床的有用性に関する研究
三輪 高喜 , 古川 仭 , 塚谷 才明 , 池野 幸子 , 矢田 剛 , 堀川 勲 , 出口 雄一 , 斉藤 幸子
日本耳鼻咽喉科學會會報 107(10), 956-965, 2004-10-20
Journal@rchive 医中誌 参考文献20件 被引用文献10件

13
スティック型嗅覚検査法 : 4件法と分類段階法の年齢と検知能力評価に関する検討
小林 正佳 , 今西 義宜 , 石川 雅子 , 大石 真綾 , 中村 哲 , 坂井田 寛 , 間島 雄一 , 前田 太郎 , 古田 茂 , 角田 貴継 , 松浦 徹 , 西田 幸平 , 高島 靖弘 , 斉藤 幸子
日本鼻科学会会誌 43(2), 167-174, 2004-08-01
医中誌 参考文献14件 被引用文献3件

14
特集にあたって
斉藤 幸子
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment 35(4), 169, 2004-07-25

15
スティック型嗅覚同定能力測定法における信頼性の検討 : 試料の提示間隔の影響および試料の経時的安定性
野澤 孝司 , 斉藤 幸子 , 小早川 達 , 高島 靖弘
We investigated the methodological and instrumental reliability of the Odor Stick Identification Test, developed by Saito et al. (1998, 2003). In Experiment 1, to reduce the ISI (inter-stimulus-interv …
日本味と匂学会誌 10(2), 267-272, 2003-08
CiNii PDF – 定額アクセス可能 参考文献17件

16
味と匂研究における分野融合 : 心理学からの貢献
斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 10(1), 1-2, 2003-04
CiNii PDF – 定額アクセス可能

17
嗅覚情報処理に関わる脳部位 : 脳電位と脳磁場の同時計測から
綾部 早穂 , 小早川 達 , 後藤 なおみ , 斉藤 幸子
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment 34(1), 7-10, 2003-01-25

18
日本人のための嗅覚同定能力測定法の開発 : スティック型・カード型におい提示試料の妥当性の検討
斉藤 幸子 , 綾部 早穂 , 内藤 直美 , 後藤 なおみ , 小早川 達 , 三瀬 美也子 , 高島 靖弘
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment 34(1), 1-6, 2003-01-25
参考文献10件 被引用文献3件

19
ニオイと視覚刺激との一致/不一致がニオイの快不快評定に及ぼす効果 (2003年度日本味と匂学会第37回大会(9月24-26日、岡山))
今田 純雄 , 坂井 信之 , 斉藤 幸子 [他]
日本味と匂学会誌 10(3), 811-814, 2003-12

20
ニオイと視覚刺激との一致/不一致がニオイの強度評定に及ぼす効果 (2003年度日本味と匂学会第37回大会(9月24-26日、岡山))
坂井 信之 , 今田 純雄 , 斉藤 幸子 [他]
日本味と匂学会誌 10(3), 483-486, 2003-12

被引用文献6件

21
2歳児のニオイの選好 : バラの香りとスカトールのニオイのどちらが好き?
綾部 早穂 , 小早川 達 , 斉藤 幸子
To investigate the development of olfactory preferences, a forced-choice procedure embedded in a simple task was used to 2-year-olds (n=29) hedonic responses to two odors with those of 9 to 12-years-o …
感情心理学研究 10(1), 25-33, 2003
Journal@rchive 被引用文献1件

22
P1-28 分類段階法によるスティック形嗅覚検査に関する検討 : 嗅覚障害者について
鈴木 惠美子 , 篠 美紀 , 鎌数 清朗 , 渋谷 恵夏 , 朝比奈 紀彦 , 洲崎 春海 , 斉藤 幸子 , 高島 靖弘
日本味と匂学会誌 9(3), 443-446, 2002-12
CiNii PDF – 有料 参考文献5件 被引用文献3件

23
P1-23 ニオイによる味覚増強効果はニオイに対する味覚イメージの影響を受ける
坂井 信之 , 石原 裕子 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 9(3), 423-426, 2002-12
CiNii PDF – 有料 参考文献2件 被引用文献1件

24
P1-13 嗅覚障害患者におけるスティック型匂い検査の有用性
橋本 喜輝 , 深澤 啓二郎 , 藤井 恵美 , 高安 定 , 武藤 俊彦 , 斉藤 幸子 , 高島 靖弘 , 阪上 雅史
日本味と匂学会誌 9(3), 401-404, 2002-12
CiNii PDF – 有料 参考文献3件 被引用文献4件

25
P1-12 嗅覚障害患者に対するスティック型におい提示試料(4件法)を用いた嗅覚検査法の有用性
小林 正佳 , 西田 幸平 , 中村 哲 , 大石 真綾 , 間島 雄一 , 前田 太郎 , 古田 茂 , 斉藤 幸子 , 高島 靖弘
日本味と匂学会誌 9(3), 397-400, 2002-12
CiNii PDF – 有料 参考文献3件 被引用文献2件

26
P1-10 うま味の感覚、知覚、反応時間、脳活動に関する国際比較的研究 : イノシン酸ナトリウムによる第一次味覚野の賦活
斉藤 幸子 , Hubener Fabienne , 小早川 達 , Laska Matthias , 後藤 なおみ
日本味と匂学会誌 9(3), 389-392, 2002-12
CiNii PDF – 有料 参考文献6件

27
食物の認知感情評価に関する行動・神経科学的研究
坂井 信之 , 小早川 達 , 斉藤 幸子 , 今田 純雄
In this study, two experiments were executed to reveal the brain mechanisms underlying the perception and evaluation for odor and taste of the foods. According to the psychophysical studies about perc …
広島修大論集. 人文編 42(1), 97-114, 2001-09-28
CiNii PDF – オープンアクセス

28
スティック型ニオイ同定能力検査法による嗅覚の年代別比較 : ニオイの同定能力、感覚的強度、快不快度について
斉藤 幸子 , 増田 有香 , 小早川 達 , 後藤 なおみ , 綾部 早穂 , 内藤 直美 , 三瀬 美也子 , 吉田 幸子 , 高島 靖弘
日本味と匂学会誌 8(3), 383-386, 2001
CiNii PDF – 有料 参考文献8件 被引用文献1件

29
スティック型におい提示試料の13臭に関する検討 : 嗅覚障害者について
篠 美紀 , 鈴木 恵美子 , 渋谷 恵夏 , 朝比奈 紀彦 , 洲崎 春海 , 斉藤 幸子 , 高島 靖弘
日本味と匂学会誌 8(3), 375-378, 2001
CiNii PDF – 有料 参考文献4件 被引用文献7件

30
嗅覚障害者に対する日本版スティック型検査法とT&Tオルファクトメータとの比較検討
三輪 高喜 , 堀川 勲 , 石丸 正 , 畑中 幸子 , 古川 仭 , 斉藤 幸子 , 高島 靖弘
日本味と匂学会誌 8(3), 355-358, 2001
CiNii PDF – 有料 参考文献2件 被引用文献6件

31
ニオイによって喚起される快不快に関わるヒト脳機構に関する認知神経科学的研究
坂井 信之 , 高橋 晃 , 小早川 達 , 山内 康司 , 今田 純雄 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 8(3), 351-354, 2001
CiNii PDF – 有料 参考文献7件 被引用文献1件

32
T&Tオルファクトメータによる閾値と日本版スティック型検査法による同定能力の関係 : 20才から81才の108人の日本人を対象として
斉藤 幸子 , 増田 有香 , 小早川 達 , 後藤 なおみ , 溝口 千恵 , 高島 靖弘
The relation between the Japanese Standardized Olfactory Test (T & T Olfactometer) and the Odor Stick Identification Test for Japanese was investigated in 108 participants ranging in age from 20 to 81 …
日本味と匂学会誌 8(2), 143-149, 2001
CiNii PDF – 定額アクセス可能 参考文献22件 被引用文献16件

33
MEGとfMRIによるヒトにおける味覚関連皮質(2)
小早川 達 , 綾部 早穂 , 山内 康司 , 斉藤 幸子 , 小川 尚
日本味と匂学会誌 7(3), 601-604, 2000-12
CiNii PDF – 有料 参考文献7件

34
fMRIによるヒトにおけるニオイの快不快に関する研究
坂井 信之 , 高橋 晃 , 小早川 達 , 山内 康司 , 今田 純雄 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 7(3), 431-434, 2000-12
CiNii PDF – 有料 参考文献4件

35
嗅覚情報処理に関わる脳部位
綾部 早穂 , 小早川 達 , 後藤 なおみ , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 7(3), 427-430, 2000-12
CiNii PDF – 有料 参考文献9件

36
脂質膜センサーを用いたビール、発泡酒の苦味評価(1999年度日本味と匂学会第33回大会)
金田 弘挙 , 篠塚 健 , 小早川 達 , 斉藤 幸子 , 岡畑 恵雄
日本味と匂学会誌 6(3), 713-716, 1999-12
CiNii PDF – 有料 参考文献6件

37
MEGとfMRIによるヒトにおける味覚関連皮質(1999年度日本味と匂学会第33回大会)
小早川 達 , 山内 康司 , 高橋 晃 , 金田 弘挙 , 綾部 早穂 , 小川 尚 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 6(3), 609-612, 1999-12
CiNii PDF – 有料 参考文献5件 被引用文献2件

38
無侵襲計測によるヒトの味覚中枢 (特集 味と匂いの神経機構)
小早川 達 , 綾部 早穂 , 斉藤 幸子
神経研究の進歩 43(5), 711-719, 1999-10
医中誌

39
味覚刺激による大脳誘発応答を計測するための刺激提示装置の開発
小早川 達 , 綾部 早穂 , 小川 尚 , 吉村 眞一 , 斉藤 幸子
医用電子と生体工学 : 日本ME学会雑誌 = Japanese journal of medical electronics and biological engineering : JJME 36(4), 351-358, 1998-12-10
医中誌 参考文献5件 被引用文献2件

40
味、匂いの弁別、同定における高齢者と若者の比較(2) : 閾値との比較(1998年度日本味と匂学会第32回大会)
金田 弘挙 , 後藤 なおみ , 小早川 達 , 綾部 早穂 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 5(3), 379-382, 1998-12
CiNii PDF – 有料 参考文献4件 被引用文献1件

41
脳磁場及び脳電位計測による嗅覚情報処理関連部位の推定(1998年度日本味と匂学会第32回大会)
綾部 早穂 , 後藤 なおみ , 小早川 達 , 遠藤 博史 , 金田 弘挙 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 5(3), 369-370, 1998-12

42
日本人のための嗅覚変化計測法 : スティック型試料の検討(1998年度日本味と匂学会第32回大会)
斉藤 幸子 , 土谷 直美 , 三瀬 美也子 , 吉田 幸子 , 小早川 達 , 綾部 早穂 , 山口 佳子 , 高島 靖弘
日本味と匂学会誌 5(3), 323-326, 1998-12
CiNii PDF – 有料 参考文献3件 被引用文献16件

43
日本人が日常体験するニオイ、知っているニオイ : 世代比較(1998年度日本味と匂学会第32回大会)
土谷 直美 , 三瀬 美也子 , 高島 靖弘 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 5(3), 319-322, 1998-12
CiNii PDF – 有料 参考文献3件 被引用文献7件

44
日本人とドイツ人のニオイ認知における相異(1997年度日本味と匂学会第31回大会)
綾部 早穂 , Ina Schicker , Matthias Laska , Robyn Hudson , Hans Distel , 小早川 達 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 4(3), 605-608, 1997-12
CiNii PDF – 有料 参考文献12件

45
ヒトは味を脳のどこで感じるか : 一次野以降の活動(1997年度日本味と匂学会第31回大会)
小早川 達 , 斉藤 幸子 , 金田 弘挙 , 遠藤 博史 , 綾部 早穂 , 小川 尚
日本味と匂学会誌 4(3), 543-544, 1997-12
CiNii PDF – 有料 参考文献5件

46
味覚誘発磁場と反応時間から得られる味覚受容における時間的過程(1997年度日本味と匂学会第31回大会)
斉藤 幸子 , 遠藤 博史 , 小早川 達 , 金田 弘挙 , 綾部 早穂 , 武田 常弘 , 小川 尚
日本味と匂学会誌 4(3), 539-542, 1997-12
CiNii PDF – 有料 参考文献4件

47
味、匂いの弁別、同定における高齢者と若者の比較(1997年度日本味と匂学会第31回大会)
金田 弘挙 , 前島 こず恵 , 小早川 達 , 綾部 早穂 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 4(3), 507-510, 1997-12
CiNii PDF – 有料 参考文献11件 被引用文献2件

48
色または方向のポップアウト課題における誘発磁場
山口 佳子 , 遠藤 博史 , 小早川 達 , 菊池 吉晃 , 熊谷 徹 , 斉藤 幸子 , 武田 常広 , 熊田 孝恒
生体・生理工学シンポジウム論文集 12, 261-264, 1997-09-04
参考文献8件 被引用文献1件

49
都市ガスのニオイの評価に関する研究(第30回味と匂のシンポジウム)
村上 恵子 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 3(3), 692-695, 1996-12
CiNii PDF – 有料 参考文献1件 被引用文献3件

50
64チャンネル全頭型 SQUID システムによる嗅覚誘発磁場の計測(第30回味と匂のシンポジウム)
綾部 早穗 , 遠藤 博史 , 小早川 達 , 武田 常広 , 森 俊之 , 金田 弘拳 , 斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 3(3), 676-679, 1996-12
CiNii PDF – 有料 参考文献5件 被引用文献6件

51
ニオイの快不快の形成 : 幼児におけるニオイの快不快と弁別(第30回味と匂のシンポジウム)
斉藤 幸子 , 綾部 早穂 , 小早川 達 , 藤本 雅子
日本味と匂学会誌 3(3), 656-658, 1996-12
CiNii PDF – 有料 参考文献1件 被引用文献4件

52
誘発磁場計測によるヒト大脳皮質味覚野のlaterality(第30回味と匂のシンポジウム)
小早川 達 , 遠藤 博史 , 金田 弘拳 , 綾部 早穂 , 斎藤 幸子 , 武田 常広 , 小川 尚
日本味と匂学会誌 3(3), 500-501, 1996-12
CiNii PDF – 有料 参考文献2件 被引用文献1件

53
人間における嗅覚・味覚の研究法(第30回味と匂のシンポジウム)
斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 3(3), 268-271, 1996-12
CiNii PDF – 有料 参考文献20件

54
匂いの嗜好の心理学 (特集・味と匂いの人間科学)
斉藤 幸子
遺伝 50(5), 30-33, 1996-05
被引用文献1件

55
子供の嗅覚の特徴
斉藤 幸子 , 綾部 早穂 , 小早川 達
日本味と匂学会誌 2(3), 529-530, 1995-12
CiNii PDF – 有料 参考文献2件 被引用文献2件

56
ニオイの快不快度の形成 : 幼児におけるニオイの体験の影響
藤原 陸大 , 斉藤 幸子 , 綾部 早穂 , 小早川 達 , 藤本 雅子 , 熊田 奈津
日本味と匂学会誌 2(3), 527-528, 1995-12
CiNii PDF – 有料 参考文献2件 被引用文献4件

57
誘発磁場計測によるヒト大脳皮質味覚野の推定
小早川 達 , 斉藤 幸子 , 綾部 早穂 , 遠藤 博史 , 小川 尚 , 山口 佳子 , 熊谷 徹 , 武田 常広
日本味と匂学会誌 2(3), 293-296, 1995-12
CiNii PDF – 有料 参考文献5件 被引用文献2件

58
日本人のニオイの分類を考慮したマイクロカプセルニオイ刺激票
斉藤 幸子 , 綾部 早穂 , 高島 靖弘
日本味と匂学会誌 1(3), 460-463, 1994-12
CiNii PDF – 有料 参考文献4件 被引用文献16件

59
吉田正昭先生を偲んで
斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 1(1), 51, 1994-06
CiNii PDF – 定額アクセス可能

60
AChemS’94に参加して
斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 1(1), 45, 1994-06

1
持続提示する臭気に対する感覚的強度の多様な時間依存性
斉藤 幸子 , 飯尾 心 , 小早川 達 , 後藤 なおみ
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment 35(1), 17-21, 2004-01-25
医中誌 参考文献12件 被引用文献14件

1
五感と脳を心理と生理から追求(精密工学の最前線)
斉藤 幸子 , 内山 隆
精密工学会誌 64(10), 1415-1418, 1998-10-05

2
生命工学工業技術研究所人間情報部「味・嗅覚研究グループ」
斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 4(2), 214-215, 1997-08

3
国際セミナー”感覚サイエンスと産業ニーズの出会いに”参加して
斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 4(1), 63-64, 1997-04

4
「香りの感性心理学」, S.ヴァン・トラー, G.H.ドッド編, 印藤元一訳, フレグランスジャーナル社
斉藤 幸子
日本味と匂学会誌 2(2), 128, 1995-08

5
快適性の評価 – ニオイを事例として –
斉藤 幸子
化学と工業 = Chemistry and chemical industry 47(6), 753-755, 1994-06-01
参考文献9件

1
複合臭気の強度の推定方法の検討
斉藤 幸子 , 平畑 奈美
心理学研究 62(2), p75-81, 1991-06
被引用文献1件

2
ニオイと官能
斉藤 幸子
日本醸造協会誌 84(5), p280-286, 1989-05

3
ニオイと官能検査
斉藤 幸子
香料 (158), p63-70, 1988-06

4
旋削加工面の視覚的粗さ感の評定因子
斉藤 幸子 [他]
人間工学 16(3), p141-149, 1980-06

5
計数検査における検査時間と眼球運動
斉藤 幸子 [他]
人間工学 15(6), p299-305, 1979-12

1
嗅覚の受容から認知形成に至る個体の統合に関する研究
斉藤 幸子
生命工学工業技術研究所研究報告 2(3), p67-72, 1994-05

1
嗅覚の心理物理学とその研究法:伝統的心理物理学から新しい心理物理学へ (特集:味嗅覚と行動に関する研究会)
斉藤 幸子
食品・食品添加物研究誌 210(9), 811-817, 2005
被引用文献1件

1
心理的味覚空間の検討 (官能検査<特集>)
斎藤 幸子 , Faurion Annick , Mac Leod Patric
心理学評論 25(1), p105-142, 1982
医中誌 被引用文献1件

色々な香り研究の先駆者

以前、中本先生や藤森先生の本を紹介したときに書いたように、香りの研究は様々な分野に跨っていて、異なる分野から、様々な香り研究者の“先輩”がいる。今まで、目に付いたものから読み込んでいっていたので、どの分野にどんな人がいるのか、一覧にした事がなかった。最近、正式な学術としてなされた研究に関してインターネットを使って簡易的に調べなおしている(簡易的に、でも結構大変)。

情報としては少なくとも国内発表・日本人研究者に制限して以下のものを纏めたいと思っている。
• 既存(もしくは過去に存在した)研究機関紙、学会誌などの研究土壌
• 研究者の名前
• 研究者の専門分野、経歴
• 研究者の主要論文、レビュー、著作物
• 研究者の執筆論文一覧
研究者の名前と肩書きだけでは、研究内容について理解することは難しい。主要論文もしくは研究レビュー、一般向け著書などから調べてゆくしかない。

海外にまで視点を広げると、収集付かなくなってしまうので、当面は調べない方針である。なお海外において、1986年に大規模な心理学を中心とした国際会議が開かれており、その内容は和訳され「香りの感性心理学」1「香りの生理心理学」2に纏められている。個人的な感想を言うと、この本は、その後に続くアロマテラピー研究や香りの心理効果に対して大きな見通しを立てている本であって、ここで述べられている内容は香りを学術的に考えてゆくに上でどの章もすばらしかったと思う。

また、情報通信研究機構(NICT)のページの中にユニバーサルメディア研究センター大島千佳,KIM Dong Wook,須佐見憲史が纏めたという「香りの演出効果」に関する工学的レビュー3はなかなか参考になった。香りに関してひとつの話(例えば「香りセンシング」とか)に絞っても既存研究のレビューはなかなか大変である。

フレグランスジャーナルのフォーラムの案内「第11回 アロマ・サイエンス・フォーラム2010(2010.10.1)」4を一度は見ていたのだが、再びみて不安になってしまう。このフォーラムが開催されていたのが2010年なので、自分が関わりたいと思っていた「香りの提示装置の実用化」はもはや古いのかもしれない、と思ってしまった。以下に抜粋。

第11回 アロマ・サイエンス・フォーラム2010(2010.10.1)
 メイン・テーマ アロマルネッサンス:
 匂い・香りのデジタル化による嗅覚情報通信技術の最先端のいま
 (1)匂い・香りのデジタル化は技術革新にどのような変革をもたらすか
 (2)匂い・香りの嗅覚ディスプレイ-メディアツールとしての可能性を探る

とはいっても、嗅覚センシングはかなり難しく、見通しを立てての実用化は企業としても出来ない状態だ。もしかしたら水面下で動いているのかもしれないが、一般紙でのニュースもあまり聞かない。

いずれにしても、調べよう。今まで調香の基礎を勉強する、ということでネットを使った最新動向のチェックを怠り気味かもしれないから。

とりあえず、今後調べていこうと思っている名前を列挙しておく。
• 斉藤 幸子;経済産業省産業技術総合研究所 生命工学工業技術研究所人間情報部 (2001年 CiNii収録論文より)「特集にあたって : においの心理的体験が人に与える影響 (2001)」など5
• 外池 光雄6;千葉大 大学院工学研究科・人工システム科学専攻・メディカルシステムコース・
• 医用情報教育研究分野「鼻は訓練でよくなるか?–調香師のトレーニングと脳内活動の研究」Aroma research 12(3), 246-248, 2011 など
• フレグランスジャーナル社アロマ・サイエンス・フォーラム過去の開催内容 (年1回開催)
• 私のブックマーク : 香りによる臨場感;大島千佳,KIM Dong Wook,須佐見憲史
• 澁谷達明
• 岡田謙一(OKADA Kenichi)

参考;
1.livedoor BOOKS: 香りの感性心理学 編:S・ヴァン・トラー 編:G・H・ドッド 訳:印藤元一 | 人文
2.Amazon.co.jp: 香りの生理心理学: S. ヴァン・トラー, G.H. ドッド, S. Van Toller, G.H. Dodd, 印藤 元一: 本
3.私のブックマーク : 香りによる臨場感
4.フレグランスジャーナル社|セミナー・イベント|アロマ・サイエンス・フォーラム過去の開催内容
5.|書籍|(アロマサイエンスシリーズ21(3))においの心理学|フレグランスジャーナル社など
6.(外池光雄)

藤森先生の本1より「香りのいろいろな側面」

自分が以前より「香りと学問」の関係を漠然と考えていたが、ちょっと良い図があったのでご紹介する。早稲田での藤森先生の社会人講義2に参加した、と以前報告したが、その講義中に「香りのいろいろな側面」(「香り」と「嗅覚」をめぐる関係図)を、見せてもらった。 
———————————————
香りをめぐってはさまざまな側面があって、嗅覚、情報、言葉、測定、食品香料、香粧品香料が挙げられる。
嗅覚の研究は他の五感に比べて受容体の解明は遅かった3。1990年代である。その後休眠している遺伝子も含めて約1000種類の匂い分子受容タンパクの遺伝子が存在していることが分かっている。ヒトでは約300種の匂い分子受容タンパクの遺伝子が発現すると、報告されている。この研究カテゴリは細胞生物学である。ただし受容タンパク、嗅覚細胞から発信された信号の解析はまだ未解明である。どのように脳内が活動しているのか等興味結構ある。
情報としては、フェロモンや感情的な好悪が挙げれていて、フェロモンについては生物学(行動学などだと思う)で調べられている。人間は鋤鼻器が退化しており、フェロモン物質は見出されていない。匂いに対する好悪は心理学や脳科学で研究されている。「匂いに対する人間の挙動」の研究は割と新しい研究分野だ。
測定に関しては様々な分析方法が適応されたが、分析化学的手法、特にガスクロマトグラフィを用いるのが定法である。微量物質に対する検出限界の改善や、再現性の向上、匂い物質の帰属同定など日々研究がなされている。
食品香料や香粧品香料に関する安全性は、医学、薬学、化学の分野である。
香粧品香料において、アロマテラピーは新しい研究分野である。研究手法としては医学寄りであると思う。
———————————————
香りをめぐっては様々な分野で研究がなされているが、どれもバラバラであるように思う。そもそも匂いは化学物質の混合物であるし、何が匂いのイメージを決めているのか、一般人には想像し難いし、それについて調べることも難しかった。
特に致命的なのは「言葉」で共通認識を持ちにくいこと。匂いは、嗅いだことのある香りでも言語化されにくく、嗅いだことのない香りの言語での説明はイメージが湧きにくい。従来は調香トレーニングの一環として、匂いを覚えると同時に、匂いのボキャブラリーを増やすということが、意識して行われる。この分野については学問として行われていないし、共通フォーマットはないと言える。云うまでもないが、食品香料においても香粧品香料においても、「調香」に対して学問的・体系的アプローチはなされていない。
「香り」の世界を深く知ろうとすると、この「言葉」と「調香」が壁となり、学問的・体系的な理解を阻害する壁になってしまっていた。藤森先生の授業でふと拝見したこの「香りのいろいろな側面」で、「だから香りって調べても調べても分からないのか」と妙に納得した。(この納得感…伝わりますかね?) ちなみに以前参加した「香りのマーケティング…」4でも関係者が、「 香りの言語化」「ベース化、要素臭化できないか?」「 香りの辞典のようなものを作り、要素の数値化をしたい」と言っていたのと結構カブるなぁ、と感じた。

「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」蟹沢 恒好 (フレグランスジャーナル社2010年10月)

「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」を読んでみた。まだ斜め読みした程度だが、情報を整理しておこうと思う。
香りの生成機構について、現在分かっている点について総論的に纏めてあって、分かりやすい本だと思う。ちなみに反応式で書かれている部分もあるが、代謝経路に関しては大まかにしか記述されていないし、特に植物の代謝に関して酵素の話に踏み込んだり、酵素発現に踏み込んだりした話はあまりなかった。ちょっと残念だったのが、参考文献に関する情報が弱い。何らかの本で見たことのある話が多い(C6、C9系のグリーンの香りなど)。
それでも、本としては纏まっていて、そこまで生化学に馴染みがなくても読み難いほどではない。
———————————————————-
紹介文は以下のとおり。
「植物や動物等の生物から香りがどのようにして生成するかについて、その解明は遅々として進んできませんでした。しかし近年に至り、化学工業の著しい進歩発展に伴ない香りの生成機序が解明されるようになり、香りの生成が化学的に立証されるようになってきました。
本書は、高砂香料工業で長年香料の研究に従事してきた著者が、渾身の技術力を発揮して書き下ろした新書です。本書の特徴は、1)香りの生成についての全体像が分かりやすく簡潔にまとめられている、2)香りの生成機構を中心に香りが生成する意義と役割について紹介する、3)生成反応ごとの種類を見てゆくと香りの理解が得られやすい、4)人類と香りの関わりを進化の過程を考察しながら、人類もまた香りを作り出す生物になったこと、などについてやさしく解説しています。香りの生成に関する類書がほとんどない今日、絶好の入門書としてお薦めいたします。」
以下がその目次。
■目次
1章 香りの生成の概要
2章 酵素反応による香気生成
(植物による香気生成/動物により生成される香気/微生物による香気生成)
3章 非酵素的反応による香気生成
(加熱による香気生成/自働酸化による香気生成)/
4章  香りと人間の関わり
(食べ物のおいしさを追求する人間/香りを楽しむ人間/香気生成反応を利用したフレーバーの製造)
———————————————————-
少し著者について調べてみた。特許はなさそうである。酵素処理フレーバーの研究をしているようで、1980年代に食品化学系の雑誌に投稿がある。乳関係のフレーバーの生化学的生成経路についての投稿もある。他にはバニリンの生合成経路、光学活性種の香気差異に関する研究、官能評価に関する研究がある。
今は友人が読んでいるので、手元に本が来たらもう少し読んでみようと思っている。(しかし…参考文献が網羅されていれば完璧なのだが…)

香りの生成について調べたい

藤森先生1-3,a,bという東京農大の先生が香気研究をされている。

この先生の経歴は、東京教育大学(現在、筑波大学)大学院理学研究科修士課程修了、農学博士(北海道大学)、その後、日本たばこ産業株式会社(JT)にてタバコの微量(香気)成分に関する研究をされている。いくつか論文を発表されている。研究はタバコ中に存在する特殊香気成分cの分離、化学構造の決定である。その後香料会社にて、忌避剤(=虫除け効果のある物質)などの研究をされていたようである。これに関しては特許をいくつかとられている。香料会社では分析のスペシャリストとして後輩たちの指導もかなりなさったようである。香料会社を退職した後は、非常勤講師を経た後、東京農大の教授としてやはり香気分析を中心に研究活動をされている。

経歴から解る様に、植物~農学~GC分析dのスペシャリストである。自分などは殆どGCメインに触った時期は無いので、ぜひ色々教えてもらいたいくらいだ。専門的な話になるが、香気成分としてどのようなものが含まれているか知る際(定性分析)、役立つのがGC-MSDであり、古典的にはマスパターンの解読が必須である。香料外社内の業務的にはマスパターンは既知化合物のライブラリーとコンピューター上で照合で解析するのでパターン解読は必須ではないのだが、未解明の香気成分を特定しようとすると、まず避けて通れない(そのような仕事は香料会社というよりは、学術あるいは熱心な大手の仕事なのだ)。

—————————————————————–

かねてより、個人的に要調査事項が自分にはあった。香気成分の生成経路解明である。植物によって様々な酵素の作用によって原料物質が代謝され香気成分(主に配糖体のような前駆物質)が植物内に蓄積される。条件(気象、外敵などの要因、生殖‥)が整うと蓄積された前駆体に酵素が作用し、香気が発せられるのである。そのような経路の研究は結構為されているのだが、成書としては少ないし、特に「香気」の生成経路に関して注目し、纏めたものにはお目にかかったことが無い。

なぜこの研究に関して調査する必要があるのかというと、香気物質の発生経路、特に微量ストロング香気成分の生成経路についても知識を蓄積しておきたいから、ということが一番の理由として挙げられる。

—————————————————————–

藤森先生に紹介してもらった本は「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」4,fである。出版社ホームページにて確認をすると、自分の探していた、学術情報の領域に合致していそうである。
 
今までこのような調べモノにおいては医学系の代謝経路の解説本を主に参照していた。その本は「医薬品天然物化学」Paul M Dewick/著 海老塚豊/監訳(南江堂 2004年)5,6である。但し、この本はあくまでも生化学の「教科書」なので、
· 「不揮発性物質の代謝」が話の殆どを占める(興味が湧きにくい)
· メジャー成分の話は言及されるが、微量香気成分の代謝の話はあまり言及されない。
というのは、代謝経路というものを考えるとき、主に生体内の不揮発性物質をかなり経、そのような「不揮発性物質の代謝」が話の殆どを占めることになってしまう。そして、その話においてはどうしてもメジャー香気成分の話が中心になってしまい、微量成分の代謝の話はあまり言及されない。実は香気においては微量ストロング香気成分が香気の重要なインパクトとなっているeのだが。

自分としては香気成分の生成経路、代謝経路を明らかにしたい、微量ストロング香気成分の生成経路についても言及してあって欲しい、更にはそれらの初出文献まで知識をリンクするリファレンス群が欲しいと思っていた。出発点となるロードマップはこの「医薬品天然物化学」であるだろうし、「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」であろうと思う。もっとも、最終的には余力があった際に、自力で文献のリンクを構築するしかないのだろうが…。

「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」は香りの図書館か、早稲田大学の図書館にもあるみたい(?)なので、確認しようと思っている。

参考およびブログ内関連投稿
1.藤森嶺-香りの魅力を科学の言葉で-香りの科学入門--早稲田大学<エクステンションセンター早稲田校>-公開講座JAPAN
2.Amazon.co.jp: 香りの科学と美学: 藤森 嶺: 本
3.Welcome to Our Company : Home
4.|書籍|香り〈それはどのようにして生成されるのか〉|フレグランスジャーナル社
5.[ 南江堂 ]
6.医薬品天然物化学 : Paul M Dewick/著 海老塚豊/監訳 – セブンネットショッピング

a.aromaphilia: 香料・香気のデータベース化について
b.aromaphilia: 「香りの科学と美学」(藤森嶺)
c.aromaphilia: セスキテルペンの香料
d.aromaphilia: ガスクロ(GC)に関する基礎知識的なメモ
e.aromaphilia: 硫黄の匂い、「サルファーケミカルズのフロンティア(CMC 2007年3月)」
f.aromaphilia: 「香り〈それはどのようにして生成されるのか〉」蟹沢 恒好 (フレグランスジャーナル社2010年10月)

香気と呈味の相関、感覚の学習性の共感覚

“味と匂いの連携応答 ―食品開発の新たな視点―”

香気と呈味の相関について九大院農の下田密哉が商品製造の観点から論じている。「化学物質を評価する分析化学と人間の感覚を評価の軸とする官能評価、そしてこの二つを結びつける化学感覚情報処理の重要性」が強調され、特に食品業界で注目されているのが「味と匂いの連携応答」である。

味について、呈味物質は水溶性であり、味雷による化学検出が行われる。それに対して香気物質は多くが脂溶性の揮発物質であり、嗅毛上で検出されている。人間の場合には香気物質は嗅覚器官で受容されるが、生物によっては鋤鼻器官も受容に用いる場合がある。水中生物になると、“香気物質”も水溶性となり陸上生物とはかなり変わると考えられる。食品における味はレトロネイザル香気+テイストである。呈味刺激と香気刺激にはある種の官能上の混同が起こっており、化学感覚の連携応答が起こる。この感覚は短期間で学習できるために先天性の感覚との考え方も出来るが、一般には学習が重要である「学習性の共感覚」とされる。匂いによる味への連携応答は、質的変化と量的変化(増強)に分けて考える。

本論文中では塩味の増強が醤油由来香気によってなされるという研究結果が報告されている。塩分においては、一般成人の必要量を平均摂取量が上回っており、嗜好を満足させる摂取がなされていると解析できる(減塩は健康維持の観点から推奨されている)。この醤油中に存在する塩味増強匂い物質について単離・同定は出来ていないが、のどの渇き、塩味の強化、旨味の増強がおこった。

「」内は本文中から引用。参考文献として挙げられているなかでも、日本味と匂学会誌16, (2009);この巻号には今回のような総説が集められているようだ、読んでみることにする。

参考;
香料No.248, 2010, (12), p.21 

硫黄の匂い、「サルファーケミカルズのフロンティア(CMC 2007年3月)」

硫黄の匂い…とは言っても含硫黄有機化合物である。

一般に硫黄というと温泉の卵の腐ったような匂いや、触るとかぶれてしまう危険性のある物質と認識してしまい、香料には程遠いイメージがある。有機化学に触れたことのある人の中には「有機含硫化合物」といったら、チオール(メルカプタン)に代表されるように強烈な悪臭物質として、それを連想する人も居ると思う。

しかしその個性ある香味とその強さ(低閥値)ゆえに,有機含硫化合物はそれが広く存在している香料植物や食品類の鍵香味物質となっている場合が多い。近年の分析機器(高速液体クロマトグラフイー、ガスクロマトグラフィー、質量分析、核磁気共鳴装置など)の急速な進歩と、天然精油や加熱調理で生ずるフレーバーなどに対する地道な香気分析によって、微量含硫香気化合物がその鍵香味物質であることが多数見出されたのだ。微量含硫香気化合物は,嗜好性の高い香りと味の創生に一定の役割を担いつつある。学校でもチオメンタノンやジエチルサルファイドやメチルチオブチレートのような含硫黄化合物を香料として処方中に微量添加する処方例について検討したりしている。

このような微量含硫香気化合物の総説としては成書になるが、「サルファーケミカルズのフロンティア(CMC 2007年3月)」などがある。本章の執筆は高砂香料の山本氏である。簡略化して抜粋する。

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最近の天然精油および食品の成分分析の進歩は著しく,新規成分も多数発見されている。特に食品は種類も多く,成分分析の膨大な研究情報が蓄積されている。ここでは含硫化合物が精油や食品の香味特性に比較的重要な役割を来たしている事例を紹介する。
嗅覚のメカニズムが奥深いことを示す現象の一つに.関値の低い化合物はその濃度により香気の印象が変化する場合が多いことが挙げられるが,特に合硫化合物の場合は極端に変化する例が多い。

通常の濃度では強すぎて悪臭でも.希釈することにより香気印象が変化して望ましい香気となる場合が多く、相当数の含硫化合物が極低濃度の状態で、広くフレグランスおよびフレーバー商品に使用されている。例えば,のりの微量含硫成分であるジメチルスルフイドは.通常の濃度では悪臭であるが.極薄めると独特なのりの好ましい香気印象を与えるようになる。問機にジブチルスルフィドの場合は,非常に強いメルカブタン様悪臭を有するが,希釈するとグリーン,バイオレット,ゼラニウム様香気となり,グリーンやフローラルのトップノートの付与など.ナチュラル感や嗜好性を高めるために.バイオレットやローズ系調合香料に用いられている。

安全性.環境問題などから,香料の使用規制問題もきびしくなり、新規香料素材においても,安全性の基準や開発コストの観点などから汎用香料の開発はハードルが高くなりつつある。そのような観点から,創香味の研究においても.個性的で閥値も低く強力な匂いを持つ香料化合物を,極小量使用して差別化を行うという考え方もトレンドになりつつある。今後新素材開発においても,小量ストロングの香料物質の開発研究が今まで以上に盛んになると思われ,中でも含硫香料化合物は着目されている。本物志向,グルメ志向が加速する21世紀の香り文化のニーズに対して,個性的な合硫香味物質が,嗜好性の高い天然の味や香りの創生ツールとして、今まで以上に多角的に利用されていくことを期待したい。

最近の含硫香味物質の研究における進歩に関して、合成手法の進歩とあいまって、分子の3次元レベル(光学異性体)での分析、香気特性などの研究も加速したが、紙面の都合上、合成法に関しては他総説などを参照していただき、ここでは天然鍵香気物質、新規合成香料、光学異性体、加熱調理フレーバーおよび特殊な用途などの話題を紹介する。

合硫化合物の香料化学を中心に最近の進歩を紹介したが,紙面の都合で省略した部分も多々あるので,詳細は記載した文献などを参考にしていただきたい。

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バナナの香り

学校の絡みでバナナに関して調べたので転記しておく。

バナナの香気分析は過去なされてきた1)。それによると、バナナの香気成分として230以上の化合物が明らかにされており,成分の多くはエステル,アルコール,カルボニル類である。
McCarthy2) らはバナナの香気成分を官能的に評価し、バナナ香気に寄与する化合物として、バナナ様香気(酢酸3-メチルブチル、酢酸ペンチル、プロピオン酸ペンチル、酪酸ペンチル)、果実様香気(酢酸ブチル、酢酸ヘキシル、酪酸ペンチル、酢酸メチル)、青草臭・木臭・カビ臭さ(2-ペンタノン、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール)であるとした。バナナ特有の甘い果実様香気にはC4-C6のアルコールの低沸点エステルが重要な成分であり、また特徴的成分としてオイゲノール(IV),オイゲノールメチルエーテル(V),エレミシン(VI), およびサフロール(VII)などのフェノールエーテル類の存在も重要な成分である。
Jirovetz3)らはカメルーン産のサイズの違う2種類の完熟バナナを用いて固相マイクロ抽出(SPME)分析を行った。ショートタイプから60成分,ラージタイプから56成分を同定した。両品種とも主要香気成分は,Isoamylacetate,Isoamylisobutyrate,Isoamylvalerate,Butylvalerate,2-Methylpentanol,Hexanal,Isoamylmethylketoneであった。.また,官能評価により,主要成分と短鎖系の低濃度のエステル類にカメルーン産のバナナの特徴を示す成分があることを見いだした。

ただし、実市場においてバナナのフレーバーはフレッシュタイプではないと考える。特にマクドナルドのシェイクやバナナ・オレ、バナナチョコレートをモチーフにした菓子などのような、実際のバナナよりもかなり甘くファンシーにしたバナナ風味が多いため、フレッシュなバナナを目標とした処方検討をすることは必要だが、同時にファンシーなタイプに関しても処方検討をする必要があると考えている。

参考文献・注
1) 成書では「食べ物 香り百科事典」日本香料協会(編) (朝倉書店2006/02) p.446や「香料の辞典」 (朝倉書店1980) p.141
2) A. I. McCarthy and J. K. Palmer: J. Food Sci., 28,379 (1963)
3) L. Jirovetz, G. Buchbauer, et al., Eranahrung, 24, 61 (2003)