そろそろ「ノマド」は賞味期限切れか?

ノマドワーカーを手放しでほめていた去年ごろまでとは風向きが変わったような気がする。方々で警鐘を鳴らされ始めているように思うのだ。

一つ理由としては、インターネット業界のイノベーションが近く頭打ちになるのではないかということ。パソコンも十分浸透し(スレート端末のようなユーザーフレンドリーさが求められる状況)、ネットワーク(IPv4→IPv6になった時には危機感があったが)も、家庭向けネットワーク(DLNAなどの規格)も、ほとんどが整備済みである。ツィッターやフェイスブックといったSNSも位置情報技術も“クラウド技術”も通信インフラもだいぶ成熟した。“ビックデータ”というものも直近で一般メディアでも見かけるようになったが、開発の方向性も実用化後の姿も見えているといえる。新規技術の流入が止まり、業態としては安定化の方向へと向かうと思われる。

そんな状況下で、まったくもって新しい仕事のスタイルととらえられていた“ノマド”が急速にその新奇さを失いつつある。どういうことを仕事にしているのか、明らかになってしまったし、彼らが身軽に乗り込んで行けるバージンスノーな領域は、あまり残されていない状況になりつつあるのかもしれない。反面出てきたのが、仕事の安定性・収益性に対する懸念だ。

どうもこの状況は1990年代後半~2000年くらいにかけての「フリーター」に似ている気がする。ここら辺で方向転換があることを考えないと、ちょっと危険かも。「FB~クラウド」バブルが弾けてしまうかもしれない。ビックデータはまだ大丈夫な気がする。それの根底になる統計処理と社会学理論なんかもまだ大丈夫な気はする。

1.情熱大陸の安藤美冬さんのノマドワーク特集の反応がtwitterとfacebookであまりにも違いすぎて興味深い。 | 東京ノマド営業所
2.情熱大陸「ノマドワーカー・安藤美冬」書き起こし - Togetter
3.次世代サービス共創フォーラム > 佐々木俊尚のIT進化論 ノマド論は「強者が勝つ」論ではない
4.ノマドワーカーがクールだなんて幻想だ! というお話 : ライフハッカー[日本版]
5.■実はドリフトワーカーを大量に生む、ノマドワーカー礼さん主義に待った!|前川孝雄の"はたらく論"

今ちょっと考えているのは「クローズドネットワーク」である。どうやってレベルの高いコミュニティを形成し、活発な議論を展開して、独創的なアイディアを練り上げるか?それをいかにリークすることなく、他者の情報はきちんと吸収しながら練り上げるか?だと思う。それと依然としてIT系ではない新しい技術というものはコンスタントに求められ続けていると思う。それにしても、なかなか難しい世界へとなって行きますね。

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