最近3輪車に興味がありすぎる

2012/12/7; 3輪車は4輪よりも安定性にかける乗り物だと思われがちである。しかし現在、従来の巨大で豪華すぎ、燃費の悪い4輪車への注目は下がっている。シティコミューターとしてのミニカーが注目されるようになってくると、軽量化、燃費改善の見込める3輪車にも再び脚光が沸いてくるのではないかと思う。

後輪を2輪化したバイクはトライクという名で知られアメリカンタイプのバイクファンを中心に人気が高い。しかし横転の可能性が結構残っており、しかも横転した際の致死性は通常の2輪よりも高い(下敷きになってしまう恐れが高いので)。また、ミゼットなどを代表とするかつて日本で多かった3輪車はこのタイプであり、東南アジアなどで広まっている4輪自動車以下の商用車(ピアジオの3輪車やトゥクトゥクなど)もこのタイプである。このタイプは小回りが利き、貨物を載せられ、車体は比較的安価に製造できるという特徴がある。

これに対して前輪が2輪の3輪車はコーナリング特性が悪化しない割りに、車体重量が抑えられるのでスポーツ性能を持つという特性がある(リバーストライクという名称がある)。もちろんホイールの滑り出しなどの限界特性は異なるし、4輪車よりは以前限界特性は低いとされるのだが面白い乗り物となるらしい。スポーツカーとしての採用歴は古く、

  • BMWのバイク用フラットツインを利用したスコーピオンは完成度が高いといわれる
  • モーガンがスリーホイラーとして戦前から作っていた、2013年ごろリバイバルするらしい。
  • カナダのカンパニョーロがT-REXという隼エンジンを使用した1400ccのスーパースポーツ
  • フォルクスワーゲンがやはり2013年くらいに3輪スポーツを予定しているほか
  • トヨタ・ヤマハ共同による「MINUTE-S」

戦後の困窮期にドイツメッサーシュミットが庶民向けに開発した車体は、庶民向けながらレースや速度トライアルで活躍していたそうである。再び軽量化・省エネ・シティコミューターとしての特徴に注目され3輪車に光が当たることがあれば、このリバーストライクに光が当たると思う。実際に「MINUTE-S」は日本の法規上の側車付の枠内に押し込めようとしており、経済性とエンターテイメント性の両立を狙ったコンセプトであることがわかる。

以上のリバーストライクは操作感は通常の4輪自動車に近いと考えられる。バイク的な操作感のリバーストライクも存在していて、

  • メルセデスが1997年くらいに開発したコンセプト車(F300)
  • プジョーが2009くらいのモーターショーに出品していたようでこれも完成度が高い
  • ヤマハのビックスクーターを改造したリバーストライク

などがある。特徴となる点は車体がチルトする点にある。バイクのように車体が傾くことにより高速コーナリングが安定化する。チルトする影響をまとめると

  • チルトするため、4輪のコーナリング時のような横Gのかかり方とは少し感触が違うものになると考えられる。(ドライバーにとっての違和感)
  • フロントトレッドが狭くても旋回性能が稼げる(要確認)
  • ハンドルの切れ角とチルト量の両方を制御しなくてはいけない(制御方法、制御アルゴリズムの開発)

そもそもチルト角を円形のハンドルで作り出すというのは少々違和感があるのだが…。低速では切れ角で制御、高速ではチルトという感覚の差異をどの程度安全に作り出してゆくのか?ちょっとわからないことだらけである。要するに限界特性の向上と操舵感のマッチング、スムーズネスの確保が必要だが、それを実現するためにはコンセプトの煮詰めが必要と考えられるのである。

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