やはり化粧品は今面白い

国内化粧品メーカーの業績は案外良いようだ。花王、資生堂といった国内メジャーメーカーが軒並み海外展開に攻勢を掛けている1)

世界的なBRICsに登場しつつある富裕層。またこれらの国はアメリカのサブプライムローン問題、ギリシャの財政問題に端を発したユーロ圏の不況の悪影響を受けつつも立ち直りは早いと分析されている。

政情不安定だった国が安定化し、所得が向上してくる際に起こることは文化レベルの向上である。化粧品・香粧品・トイレタリー製品は文化的な生活に欠かすことは出来ない。例えばインスタント食品や外食といった食品産業の利鞘の大きい部分は「手間の節約」や「贅沢品」であって文化的な生活にとって「無くても何とかなるもの」である。それに対して、シャンプーや石鹸、衣類洗剤は文字通り最低限文化的な生活に必要な製品である。また、ある程度生活水準が向上すると、化粧品に対する購買意欲が発生すると言われている2)

食品産業は地域柄やローカルな食文化が色濃く反映されるため、大規模な商品展開が実現しにくいが、香粧品は地域差・文化差の影響がそこまで大きくなく、大規模な商品展開が可能になる。だが、化粧品、香粧品に関しては製造技術やノウハウの蓄積が必要なのも確かで、開発力それにくわえて販売とトレンドリサーチがかみ合った戦略が必要である。

なお本日、政府が円高介入をした3)が、海外進出や海外の技術保有メーカーの買収などには円高の方が良いはずで、きちんと体力がある企業であれば円高時には海外投資、拠点の確保に費用と時間を費やし、円安時には日本国内の投資、販売攻勢を強めるなどするのが良いだろうと思う。民間人レベルでも今こそ高額海外製品の購入を計画する人が多いと言うので、円高も良し悪しだと思うのだが。

1. (例えば新聞記事だったらこの辺かな、日経ビジネスでも何度か取り上げられていた)
資生堂、グルジアで化粧品販売 10月から :日本経済新聞
4911 (株)資生堂 (資生堂) 日本経済新聞マネー・マーケットonline:日経会社情報 -ニュースショット- (等)
2. (この辺を見ればよいはず、成書でもこの傾向を指摘しているものは沢山あるはず)
トイレタリー市場に関する調査結果 2010 - 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
2010年版 化粧品マーケティング総鑑 - 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
3.
政府・日銀、日欧で単独介入 円売り1兆円規模に :日本経済新聞

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