仕事とは何なのか?(スティーブジョブス氏の訃報を聞いて考えたこと)

(まずスティーブ・ジョブス氏の業績に対して敬意を表すと同時に、その冥福を祈る。彼に関しては、自伝を読もうと思っているが、まだ読めていない。したがって、彼の生涯について間違った理解をしているかもしれないが、考えたことを書いておく)

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仕事とは何なのか?…理念のために死ねる人間は一握りだ。

自分の理念のために死ねる人間は「仕合せ」である。スティーブ・ジョブスが死んでしまったが、彼は性格上長生きする人間ではなかったのだろう。会社の時価総額だけがピックアップされるが、アップルストアの開発と成功、ipod touch / iphoneの開発と成功、またipadというタブレット端末の開発(成功とまではまだ言えないだろう、しかしココに来てパブリックで浸透しつつあるので近々「成功」と言えるようになる)など、彼と現在のアップルコンピューターの偉業は大きい。まさに時代を作った。

但し、よくよく考えてみて欲しい、彼の出してきた商品について。1990年代、初期アップルの“マッキントッシュ”においてマウスを使ったオペレーションソフトはマイクロソフトのウィンドウズと競合していたし、2000年代に入って彼はiphoneを世に問うているが、当時「スマートフォン」としては既にblackberryが有った。そもそも、iphone自体が電話回線の付いたipod touch的な位置づけであって、彼の頭の中に「スマートフォン」の概念があったかどうか疑問である。単にメールに関する機能から言えば、現在でもblackberryの方が優れているのではあるまいか?

何が凄かったのかと言えば、考えられるだけ最先端にアップデートしていたのだ。完成度の高く、アプリ間連携もスムーズなiOS。ハードに関する技術においても、あのポータブル機器にあれだけコンパクト+低消費電力なコアとメモリーを選択し、無線LANを押し込み、動きの良いタッチパネルを搭載した(ソフトウェアも合わせて考える必要があるのだろうが、iphone 3GSくらいの代まで他社タッチパネル搭載機でアップルほど実用レベルのパネルを搭載した機種はなかった)。それにアップルストアというインフラをきちんと整備して、実用イメージまでキチンとデザインしたリーダーだったのだ。彼は。確かに、そのフレーズだけに拘ると、彼の理解は出来なくなるのだが、まさに彼は「貪欲に、追及し続けた」のである。

しかし、その陰に人生をダメにしてしまった人間も相応の数居たのではないだろうか?過労死してしまう人間もいたかもしれないし、商売は競争であるから、勝者がいれば敗者もいたはずだ。彼はそれに罪悪のような何かを感じたのか、それとも何も感じなかったのか?しかし明確に言えるのは、彼自身も身を削るように生きて、華々しい結果を残し、時代を作りはしたが、56歳の若さで死んだ。彼は、結果を残そうとしたのではなく、時代を作ろうとしたのでもなく、ただ理念にのみ従って生きただけだったのではないだろうか?ただ理念のために生き続け、時代の渦の中心に居た、そして時代も彼とその理念を認めたから、あの結果・結末を得たのではあるまいか。

自分の理念のために死ねる人間は「仕合せ」である。

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