メモ;TEAC (11/19-21) ②

TEAC学会に参加してきたので、気になった発表に関してメモしておく。(こちらの方は羅列的)

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焙煎コーヒーに関する分析で長岡香料が報告している。(1PI-7)

MSDカーブが重複する複数成分をMassフラグメンテーション解析でピーク分離し、微量ストロング成分を構造推測、類縁体合成によって、その成分単品時の香気とトータル香気への寄与について報告していた。

以前より、ピーク重複するMSD積分の解析をオートマチックで出来ないかと考えていた。

オートマチックではないが、その既知方法の一つが、このマスフラグメンテーションである。一つの成分分離が不完全となっているピークにおいて、それぞれ特定m/zのフラグメントに注目し、それぞれの物質が幾らづつ入っているのか計算できるというもの。

これに対して、全領域マスフラグメントに対して時間微分をし、フラグメントの単位時間増加を計算してやれれば、カーブが重複している場合でも容易に解釈できるはずだと思うのだが…。同種分子から発生するフラグメントであれば積分曲線のパターンは共通化する筈であるからMSD曲線としては同じ挙動を示すフラグメントに関して加算することでMSD精度を向上させる。問題はノイズの分離か…どのようにスムージングを掛けてやるのかは難しい問題になると思う。

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御茶ノ水久保田先生の研究室において米、もち米において香気成分生成要因について検討している。(1PI-10)

香気がもち米で多くなる原因について、包摂なのではないかと仮説を立て、それを実証するためにシクロデキストリン(CD)で代替実験をしている。

個人的にはもっと光学的な手法で包摂効果の確認と包摂複合体形成の定数算出をして欲しかった。それにでんぷんのへリックス内部の環境とシクロデキストリンの内部の環境がどれほど類似しているのか?錯生成のドライビングフォースは何なのか?明示できた方が良いと思った。

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明治大学理工がイオウ置換大環状ムスク様化合物の合成検討をしていた(1PIV-3)

cis二重結合をイオウ原子導入して大環状チオエーテルとすると、類似の香気で、より強力な閾値を持つ香気物質となる、という既報があるようだ。それについては全く知らなかった文献だったので読んでみたいと思った。どの程度その香気評価が正しかったのか、も気になる。可能なら、アクセスして香りを見せてもらったら良いと思う。

(とりあえず以上。また特筆事項思い出したらupするようにします)

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