12/1/7 Coffret Project「香りと物語」 に飛び入りしてみる

フランスの香水のメゾン L’Artisan Parfumeur の香水を色々見せてもらいながら、調香師の目に映る世界、心の中に広がる印象を見てみましょう、というCoffret Project主催の香りのワークショップが1/7にありました。丁度j-waveを聞いていたら、主催者で代表の向田さんが番組参加してイベントを告知していたのを聞いたのです。

Coffret Projectは、「世界中の女性がより自由にそれぞれの可能性を開花させることができる世界の実現を目指して化粧を切り口に、国境や人種、言語の壁を越えて人々が喜びを分かち合う」ことをめざそうとする非営利団体のようです。Coffret Projectの活動は
1)Workshop~お化粧ワークショップ
2)Collection~化粧品の回収…日本において、あまった化粧品を1)のWorkshopに利用
を主にしているとのこと。今回のイベントも収益は活動運営資金として利用するとのこと。

自分が元々、香りに関する勉強をしたいと思った背景には、「香りが人々にイメージを引き起こさせるその作用とは何なのだろう」という疑問があったのです。このWSではラルチザンパフュームの香りを試しながら、その香りの世界を参加者でディスカッションしながら、最終的にはラルチザンパフュームのスタッフが解説してくれる、ということで面白そうだなぁ。と。

香水は色々なパートの配合で一つの作品になっています。トロピカルフルーツのイメージがし出てきたり、マグノリアやオーキッドといった花の香りが出てきたり、しっとりとしたアーシーな香りに石の古代遺跡のイメージを感じたり。その香水が漂ってきたら、どんな風景が思い浮かぶのか、食べ物や雑多な市場かもしれないし、海辺や森の中かもしれないし…。「旅先で出会った突然の雨や、一度きりの待ち合わせ場所…。旅の大切な思い出を香りのエッセンスに置き換え、物語を綴る」…ラルチザンパフュームの香りは挑戦的な香りかなと思うのですが、独自の世界を覗く事が出来て、なかなか面白かったです。

参考;
1.コスメで仕掛けるすてきなこといろいろ〜Coffret Project » 1/7 Sat. 香りと物語 vol.2
2.ラルチザンパフューム ジャポン / L'Artisan Parfumeur Japon

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特に気になった香水をちょっとメモしておきます。(勝手なことを書きます)

Nuit de Tubereuse(ニュイ・ド・チュベルーズ)~月の花~
…パリの夏の宵の初めのイメージとのことで、そう言われるとなんだか納得した感じの香調です。どうも入浴剤的な粉っぽさはクマリンとかのためだと思います、そんなに底の方が固めらていない感じで、しゅわしゅわしたサイダーのような発泡感を感じました。「官能的」という言葉が出てきていましたが、ワインで言うとフルボディではなくライトボディ、赤ワインというよりはロゼ(白というほどキリリとしていない)、脱力した色気のようなイメージなのでは?と思います。

TRAVERSEE DU BOSPHORE トラベルセ ドゥ ボスフォール― イスタンブールの空 ―
…とても面白い香調。今回見せてもらった中で、個人的には似合う人を探したくなる香りでした。エキゾチックで乳白色のイメージ(その乳白色さはキャンディ「花のくちずけ」のイメージです)。参加者の方々からは結構年配の女性に似合うという意見も出てきましたが、30代前半の男の人でも面白いのかも。淡いパステルカラーの空、もしかしたらトルコ石のような水色、時々とても不透明なピンク色にも感じる。

一番最後のコーナーは、自分の実際に行ってみたことのある・自分の想像上の土地を作文してみて、どんな香りが作れるかイメージしてみましょう、というコーナーでした。「宇宙の香り」という話とか、ギリシャで倦怠期の妻が出会ったプラトニックな恋に落ちてしまった現地の男性の匂いとか(この人の話は面白かったです)。

自分は一度だけ行ったことのある、「オーストラリアのシェルビーチ」の話を提案しました。せっかくなのでここでご紹介します。

「オーストラリア西の都市パースから北の乾燥地帯へ向かっていくと、インド洋に面したところにシェルビーチという場所があります。見渡す限り白い貝殻しかなくレンタカーを降りてその会で出来た、砂丘のような丘を歩いて海辺まで行こうとすると、貝を踏む自分たちのパリパリという足音と吹き抜けてくる風の音しか聞こえません。空は抜けるように青く、海も物凄く青く、海辺は静かな波音だけが聞こえていました。世界の果てがあるとしたら、こんなに綺麗で静かな場所なのではと思いました。」

参考;
3.ラルチザンパフューム ジャポン / L'Artisan Parfumeur Japon Nuit de Tubereuse
4.ラルチザンパフューム ジャポン / L'Artisan Parfumeur Japon TRAVERSEE DU BOSPHORE
5.シェルビーチで白い貝殻のビーチから時の流れを感じる | 西オーストラリア 秘境ガイド | カンタス航空

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