改めて、私について、このブログで書こうとしているコトについて

(1/29のメモより)今までして来たことを纏めておく必要があろう。まず、なぜ香りを勉強することになったのかの経緯について。本来は「香りを科学でやる」。つまり「そもそも香りとは何なのか、香りが人間に与えている印象がどう作られているのか、科学的に明らかにする」ということがしたかった。その命題の周辺を明らかにし、当面の研究テーマを定めるために、またただ科学的テーマに向かってゆくのではなく、アドバンテージを持って研究するためには調香を分かっておいた方が良いということである。そこで昼は学校で調香を学び、夜は自学自習で香りの既存の科学研究について調べてゆこう、というものが当初の計画であった。調香に関して学び始める年齢として27歳と「香りの創造」にあったことにも後押しされて、勉強を開始した。

現在、本腰を入れて行うテーマとして、香りの提示装置を用いた演出効果(エンターテイメント的な効果)および、空間演出(リラクゼーションや効率アップといったような、香りの心理的効果)が商業的にも面白い分野であろうと考えている。このような考えに至った背景としては
• 東工大の中本准教授の本を読んだ。気相中で調香してくれる香り提示装置が相当気になった、要素臭が重要となるという考えに科学的興味を惹かれた。要素臭についてはこれが今後、提示装置にとって重要な解明すべきテーマになる、という印象を数回のトライアルから得た。
• 「香りマーケティング協会」というセミナー参加(2011年9月)。マーケティング的にもデジタルサイネージという用途にも重要視されていることが分かった
• 企業の研究者の方に会ってもらった。このカテゴリの面白さを改めて認識した。特に演出するだけで、センサー技術が完成していなくても演出効果のみでも、社会インパクトは大きいものがある
• NICTでの演示研究やCEATECを見る。匂いの演示装置というのは一時期かなり注目されておりハイエンドとしてかなり研究されていたのだが、ハイエンドな研究者はだいぶ手を引いてしまっている。(例;NICT、ドコモ・NTT、たぶん他にもある) この原因については、要素臭が分からないから、匂いのイメージがどのように形成されるか解っていなかったから(そして結局今もわからず、多分このままでは解る見通しも不明)と考えている。
• 脳科学の外池先生や斉藤幸子先生に会ってもらう。脳科学・心理学的な解析、科学研究を並行していったら有用な研究結果が得られるのではないだろうかと考えた。
• 藤森教授と会う。もともとはこの先生の本を読んで、香りを学術的に体系化したら面白いと思い至ったのである。既存の香料技術はGC分析と官能評価・調香・処方が「中心技術」となっていた。藤森先生からもいろいろと教えてもらいたいと考えている。
というものが今の自分の考え方を作ってきた。まず香りに関しての知見をより強固に収集してゆく。なお、やりたいことは多分野にまたがっている。しかしそれらは相関しているから、それらを複合的に解明してゆくことで香りの実態に近づけるはずだ。

今まで、音にしても映像にしても、センサーの開発の後にメディアへの記録技術と再現装置の開発がなされていたが、匂いに関しては提示装置、匂いデータの蒐集、センサー技術との統合という順序で為されても良いのではないか?

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